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「ブランケット・キャッツ」
重松清  




2泊3日、毛布付き
我が家にレンタル猫がやってきた。
今を生きる孤独と救済と描いた、
猫と人の物語・全7編。 (帯より)



2泊3日の契約で、貸し出される猫と、借りる人間たちの物語です。
猫を飼っている身としては、猫ちゃん、かわいそう〜〜と思うけど、当の本人は、どう感じているのやら。
一応、猫が落ち着けるように、猫のバスケットの中には、生まれた時から慣れ親しんだ毛布が入っていて、その毛布さえあれば、猫ちゃんも安心して、よそのおうちにレンタルに行ける・・・というものです。
ほとんどが借りる側の人間の様子を描いた短編ですが、たまに猫の本音も・・・。
人間がこのレンタル猫の立場だったら、3日間ガマンしてお仕事したら、その対価が得られると思うのだろうけれど、猫ちゃんの場合、何の対価もなく、やっぱりかわいそうだなぁ。


「花粉症のブランケット・キャッツ」
子供を持つことが出来ないと診断されたある夫婦の物語。
子供がいないって事は、思い通りの綺麗できちんとした生活が出来ると言うこと。だけどこれが、一生続く・・・。それはやっぱり寂しいことだったりして。

「助手席に座るブランケット・キャッツ」
うちにいる猫と同じ黒猫の物語。黒猫って、やっぱり縁起悪いんだ?!

「尻尾のないブランケット・キャッツ」
マンクスという名の、しっぽがなくて、うさぎみたいにぴょんぴょん跳ねる猫。こんな猫の種類があるんですね〜〜。見てみたいな。
物語は、いじめる側に回ってしまった男の子の話です。ちょっとしたことで、どちらの側にもなってしまう、きわどい残酷さの中で生活する子供たち。どうしてこんな事になってしまうのか・・・。

「身代わりのブランケット・キャッツ」
年老いた母親を招いた最後の夜。母親がかわいがっていた猫、ロンロンの身代わり猫になるブランケット・キャットの物語。
歳を取るというのは、悲しいな。でも、きっとみんなが通る道。そして、新しい世代へと変わってゆくのですね。


他に3編の短編を含んだ短編集です。 優しくて、ほんわかしてて、さらりと読める本でした。 (2008,04,10)