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「家日和」
奥田英朗  


ネットオークションにはまる専業主婦。会社が倒産し、主夫となる営業マン。夫と妻。ちょっとずれていて、でも愛情がないわけでなく…。ずっと外にいた夫の王国か。ずっと家にいた妻の城か。ビター&スウィートな「在宅」小説。 (「MARC」データベースより)



6個の家に関する短編が収められている短編集です。
短編といっても一つ一つが、濃い〜〜い作品で、読み応えあって面白かったです。


「サニーデイ」
オークションにはまってしまった主婦の話です。
大人になってしまうと、仕事以外で褒められる事なんて、ほとんどありません。専業主婦だと、全く褒められることなく、毎日を過ごすことになります。
そんな彼女が、オークションで、褒められて、それが生き甲斐になってしまったら・・・。オークションでのドキドキ感、分かりますね〜〜(^^)。

「ここが青山」
これを読んで、一つ賢くなりました(^^)。「人間至る所に青山あり」・・・知りませんでしたーーー(^^;。
それはともかく、会社が倒産してしまった一家の主の物語です。そのことによって、自分の適性を再発見したら・・・。こんな人、いるでしょうね、きっと。奥様とのバランスが、とってもよろしいです(^^)。

「家においでよ」
妻と別居した会社員が、男の隠れ家作りに熱中する話です。
いいな〜〜。男でなくても、自分の好きなように、自分の城を作れたら、最高ですよね〜〜。
こんな夫の姿を見た妻は、微妙でしょうけどね。

「妻と玄米御飯」
これはなんだかイタい話でした。
別に、作家じゃないですけど、この作家の気持ちがよく分かりました。作品の題材として、いつも見聞きしている身近な人たちは、最高のもの。だけど、書くわけにはいかないんですよね(^^)。私だって、知り合いに作家さんがいたら、自分のことを書いていないかどうか、密かにチェックしますよ、絶対(^^)。


他に、妄想に拍車がかかる主婦を描いた「グレープフルーツ・モンスター」、夫の転職と、自分の才能に関連性を見つける「夫とカーテン」がありました。どれもこれも、充実した内容で、読み応えたっぷりです(^^)。 (2008,04,17)