「こうふく みどりの」
西加奈子
お前んち、
いっつもええ匂いするのう。
おばあちゃん 夫(おじいちゃん)失踪中。
お母さん 妻子ある男性を愛し、緑を出産。
藍ちゃん バツイチ(予定)、子持ち。好きになったら年齢問わず。
桃ちゃん 4歳なのに、まだおっぱい吸いに来る。
辰巳緑、、14歳、女未満。
初恋まであともう少し。
(帯より)
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先日読んだ「しずく」が大好きでした。
その西さんの長編で、「こうふく」二部作の1作目です。
ちょっと最初、読みにくくて、どうしようかと思ってしまいました。
大阪弁なのは、「しずく」と一緒です。私は今は、大阪在住ですが、出身は、東京なので、この大阪弁を文字として読むのは、結構しんどいのです(^^;。
そして、途中で挿入される看板の文字・・・。あれはいったい・・・??
また、太字で、誰のとも分からない告白文もはさまります。
読み進んでいくうちに、だんだん、事情が分かってきて、そうなると、途中で挿入される看板も、その時々の舞台の大道具のように見えてくるのが不思議。道を歩いている時には、商品の看板で、学校内だと、注意書きだったり・・・。
太字の告白文は、一人の告白ではないことが、徐々に分かってきます。
いったい誰の、どんなときの告白文なのか・・・。
辰巳家の様子もよく分かってくると、なかなかの味わい・・・いえ、匂いが漂ってきます。
女たちの家・・・。
彼女たちに、どんな事情があったのか・・・。
緑は、いったいこれから、どんな恋をするのでしょうか・・・。
(2008,05,23)
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