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「こうふく あかの」
西加奈子  



二ヶ月連続作品「こうふく」シリーズ第二作
結婚して十二年、三十九歳の調査会社中間管理職の「俺」の妻が、ある日他の男の子どもを宿す話。
二〇三五年、小さなプロレス団体に所属する無敵の王者、アムンゼン・スコットの闘いの物語。二つの話が響き合う。 (内容紹介より)



「こうふく」シリーズ第二作・・・といっても、全くつながりのない話でした。ということは、著者の西さんも書いてられたので、分かっていたので、不思議にも思いませんでしたが、内容の方は、やはり、”みどり”と同じように、不思議な本でした(^^)。

全くつながりのない話がふたつ、交互に書かれています。
一つは2007年のある夫婦の話。そしてもう一つは、2035年のプロレスラー、アムンゼン・スコットの話。その二つが繋がるのは、プロレスだけ。西さんは、プロレスファンなのね、きっと(^^)。

2007年に登場する男は、人の目に映る自分の理想の姿ばかりを考えて生きるいや〜な男。こんないやな人間、そこら辺にいそうです。っていうか、自分にも、そんなところがあったりして、ゾッとしたりしました。
人は、自分が考えているようには、思っていないのにね。
そんなことを勉強して、さらに年を重ねたこの男が、2035年の世界にも、かいま見れるところが、ちょっとホッとするところです。 (2008,05,30)