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「雷の季節の終わりに」
恒川光太郎  



雷の季節には、
よく人が消える。
それはもう仕方がないんだ。
少年時代を過ごしたその町には、
春夏秋冬の他に、
もう一つの季節があったーー。 (帯より)



「夜市」「秋の牢獄」の、恒川光太郎さんの長編です。
両作とも、とても好きな本だったので、この長編も期待してました(^^)。

異世界の小さな町、穏(おん)で暮らす少年、賢也のストーリーです。
もちろん架空の町ですが、すんなりとその世界に入り込めました。
その町には、春夏秋冬の次に、雷の季節が来て、その時、何かが起こる・・・。

こんな科学の時代でも、やはり雷は、あの音と、光で、超自然的な恐ろしさを感じます。
そんな時、何かが起こっても、不思議ではないような気がしますよね〜〜。

その雷の季節に賢也の身近で起こった出来事。そして、穏の秘密・・・。

前半は、ドキドキするほど面白くて、そして怖くて、とても良かったです。

後半は、もう一つの世界が出現します。
その世界と、穏との関係は??それもまた、謎めいていました。

そして、トバムネキの役割とは?
さらに、ラストの彼のこと・・・。

でも、この尻すぼみ感は、何でしょう。なんだか物足りない。
もっと盛り上がってもらいたかった。う〜む、残念。期待しすぎたのかな。

私にとって、恒川光太郎さんは、短編の方が相性がいいのかもしれません。 (2008,07,19)