「償い」
矢口敦子
36歳の医師・日高は子供の病死と妻の自殺で絶望し、ホームレスになった。流れ着いた郊外の街で、社会的弱者を狙った連続殺人事件が起き、日高はある刑事の依頼で「探偵」となる。やがて彼は、かつて自分が命を救った15歳の少年が犯人ではないかと疑い始めるが・・・。絶望を抱えて生きるふたりの魂が救われることはあるのか?感動の長編ミステリ。
(裏表紙より)
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わけあってホームレスとなり、固有名詞を失った男が訪れた郊外の街。そこは、かつて、ある事件があった場所だった・・・。
元脳外科医だった日高が、どうしてホームレスにまでなってしまったのか。そして、そこで出会った少年との関わりは?
ぐいぐいと引きこまれて読みました。
その後、平和な街に次々と起こる殺人事件。
日高は、ある想像に身を震わせる・・・。
思っていた以上に重い内容でした。
多くのことが絡み合った物語となっていますが、あまりにもたくさんのことが集まりすぎているようにも感じました。
だからこその苦しみ、悲しさ、辛さなのでしょうが・・・。
出てきた地名が光市で、少年犯罪を匂わす内容だったので、読み始めてしばらくは、実際にあったあの母子殺害事件の話かと勘違いしました。しばらく読んで、違うことが分かり、途中で頭のスイッチを切り替えましたが・・・。
重いわりに、分かりやすく、読みやすかったのは良かったです。
映画にしても面白いかも。その場合は、内野聖陽さんと、神木隆之介君で、どうでしょう(^^)。
(2008,10,14)
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