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「院長の恋」
佐藤愛子

よく見ておきなさい、あれが恋という病気よ。佐藤愛子85歳、これが最後の作品集。(「BOOK」データベースより)



表題作と、他に4つの短編が収められています。
佐藤愛子さん、85歳なんですね〜。でも、本の面白さは、年齢には関係ないです(^^)。

「院長の恋」
52歳の院長先生の恋を21歳の秘書の目を通して描かれています。
妻子がいて、社会的にもきちんとした地位にある院長が、突然、若者のような恋に落ちてしまいます。つまり、恋に年齢はない・・・ってことですね。ただ、ちょっと体裁が悪いってだけ。でも、周りへの迷惑は、若者の比ではありません。
院長がケータイを一生懸命操作する姿を思い浮かべると、可愛いのですが・・・(^^;。

「離れの人」
おとなしいおばあちゃん。
昔は、彼女にも色々あって・・・。
ボケたわけではないんだけど、もう忘れてしまったんですねーーー。そこはかとなく寂しいです。

「地蔵の眉毛」
人それぞれの考え方次第。
その土地にいないと分からないこともあるのかも。
結局どうだったのでしょうねぇ。

「ケヤグの秋」
方言が、少々読みにくくて、苦労しました(^^;。
でも、長年の友情に泣かされます。

「沢村校長の晩年」
これも、表題作同様傑作ですね。
沢村氏の気持ちが分かって、一緒になって苛つきました。
こういう光江みたいな人、いるんですよ。人の気持にちっとも気がつかない鈍感な人がね。
ラストは、憐れでした。笑っちゃいましたけど(^^;。 (2009,08,08)