「氷の華」
天野節子
誰かを殺してまで、守りたいものはなんですか?
たった一本の電話が、
何不自由なく暮らしていた主婦を
殺人者へと変えたーー。
罠が罠をよぶ、衝撃の結末!
驚異の新人が放つ、本格ミステリー(帯より)
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とても面白かったです。
美人で、生活も裕福で、一見なんの不満もなさそうな主婦が、ある一言で、殺人へと走る狂気。
完璧に犯罪を行ったつもりでも、警察の捜査力の前には、穴だらけの彼女の行動。
彼女のその時々の心理状態が伝わってきていただけに、刑事の訪問には、読みながら、こちらまでドキドキとしてしまいました。でも、その彼女の受け答えの気丈なこと!このしたたかさには、舌を巻きました。
そして、彼女の潔すぎて、不可解な自供。
彼女は、いったい何処まで考えて行動していたのか。
面白くて、ページをめくる手が止まりませんでした。
著者は、1946年生まれで、しかもこの作品がデビュー作だそうです。文章も読みやすくて、構成もすばらしく、申し分ないです。
この作品は、米倉涼子と堺雅人で、ドラマ化されたそうです。ドラマの出来はどうだったのでしょう。
私は、結末を知らずに読んだので、とても面白く最後まで読めたので、ドラマ化を知らなくて良かったのかも(^^)。
一見なんの関係もない冒頭が、重要なキーポイントとなるところも、良くできてますね〜〜。
天野節子さんのの新作「目線」も出たそうなので、是非読んでみたいです。
(2009,08,14)
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