「ポトスライムの舟」
津村記久子
お金がなくても、思いっきり無理をしなくても、夢は毎日育ててゆける。契約社員ナガセ29歳、彼女の目標は、自分の年収と同じ世界一周旅行の費用を貯めること、総額163万円。第140回芥川賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)
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第140回芥川賞受賞作です。
芥川賞・・・苦手なんですよねーーー。
元々、文学的な善し悪しなんて、分かりませんから(^^;。
ただ、面白いか、そうでないか。
だから、あまり面白くない!?芥川賞作品は、苦手でした。
その点、この作品は、読みやすく、主人公ナガセの気持も、分かるような気がして、スラスラ読めました。
低賃金で、身を削るようにして働く彼女。
何のために働くのか・・・。
そんな時、あるポスターを見たことから、目標が出来・・・。
人間には、何かしら目標があれば、それだけで、生き甲斐になったり、苦しいことを忘れられたり。
単純だけど、大切なことですね。
ただ、作品自体は、あまり印象に残らず、
私としては、一緒に収められていたもう一つの短編「十二月の窓辺」の方が、強烈な印象として頭に残りました。
パワハラ・・・。
たまに耳にする言葉ですが、これは辛い。
読んでいて、私まで心がくじけそうになりました。
おそらく「ポトスライム〜」のナガセの、過去の物語なのでしょう。
人間性まで否定され、生きてゆく気力も何もかも、奪われてゆく感覚。
私なら到底彼女のように、耐えることは無理です。
半日で、めげます(TT)。
登場人物の名字が全てカタカナ、もしくはアルファベットで、没個性。
読みながら混乱しました・・・(^^;。
(2009,09,18)
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