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「悪霊の島」 上・下
スティーブン・キング

その島には何かがいるーー不吉な響きを夜ごと囁くものが。 不慮の事故で片腕を失ったエドガーは、一人フロリダの孤島デュマ・キーに移り住んだ。波と貝殻の囁きを聴きながら静かに暮らすエドガーは、ある日、絵を描く衝動にとりつかれた。かつて幾人もの芸術家を迎えたデュマ・キーに宿る何かが作用したのか?彼の意志と関わりなく手が描き出す少女と船の絵ーーーそれはいったい何なのか?屋敷に住まう老女の過去に何があったのか?じわり、じわりと怪異が迫る。島にひそむ悪しきものがひそやかに触手を伸ばす≪恐怖の帝王≫の本領発揮。圧倒的恐怖へ向けたジェットコースターが、高見をめざして昇りはじめる。 (表紙折り返しより)




”ホラーの帝王”スティーブン・キングの最新刊です。

ホラー好きなので、やっぱり彼の作品は、大好き。映画化作品も大好き!
でも、いつもながら、読むのが大変〜〜(^^)。
今回は、上下巻合わせて1000ページ以上の大作でした。
しかも、いつもの彼らしく、回りくどくて、それでいて、大切なことをさらりと書いてあったりして、読んでいても、一瞬の気も抜けない作品です。
そんな彼の本、今まで、途中で、挫折したことも、数知れず・・・(^^)。
でも、本作は、そんな彼の作品中でも、読みやすく、分かりやすい本で、私としては、スラスラと読めました。

冒頭は、かつてキングを見舞った大事故を彷彿とさせる、事故と、後遺症と、リハビリの物語が、延々と続きます。
でも、そこら辺も、決して、おろそかにしてはいけません(^^)。

そんな、心身共に傷ついた彼がやってきた、美しく、温暖な島、デュマ・キー。
その地で起こる怖ろしい出来事の物語です。

長い物語の中で、主人公・エドガーは、大事故に遭い、絶望の淵に沈み、そして、再生し、第2の人生を歩み始めようとします。
しかし、彼の第2の人生の、幸せの絶頂期に、また再び彼は、絶望の淵に落とされてしまうのでした。
それは、この島の、過去に関わる、負の遺産の物語でもあったのです。
そして、エドガーは、再び、怖ろしい恐怖の存在と、果敢に戦うことになるのです・・・。

長い話を読み進めるうちに、徐々に不安や、疑惑、期待が大きくなってゆきました。
そして・・・。

ラストの方は、凄すぎて、何故だか、思わず笑ってしまいました。
いやぁ、いかにもキング・・・って感じでしょうか。

それにしても、美しいフロリダの島の情景が目に浮かぶような小説で、これもおそらく映画化されることでしょう。
主演は若すぎるけど、ジョニー・デップとかどうでしょう〜〜?!(^^)。渋いところでは、リーアム・ニーソン でもいいかも(^^)。



ところで、巻末の「訳者あとがき」に、キングの新作「ドームのもとで」の情報が書かれてました。 あらすじを読むと、またまたとっても面白そう〜〜。でも、本作以上のボリューム(本書の1.8倍ぐらい?!)だそうで、うれしいやら、しんどそうやらで、複雑な心境で、ございますね(^^) (2009,12,05)