その島には何かがいるーー不吉な響きを夜ごと囁くものが。
不慮の事故で片腕を失ったエドガーは、一人フロリダの孤島デュマ・キーに移り住んだ。波と貝殻の囁きを聴きながら静かに暮らすエドガーは、ある日、絵を描く衝動にとりつかれた。かつて幾人もの芸術家を迎えたデュマ・キーに宿る何かが作用したのか?彼の意志と関わりなく手が描き出す少女と船の絵ーーーそれはいったい何なのか?屋敷に住まう老女の過去に何があったのか?じわり、じわりと怪異が迫る。島にひそむ悪しきものがひそやかに触手を伸ばす≪恐怖の帝王≫の本領発揮。圧倒的恐怖へ向けたジェットコースターが、高見をめざして昇りはじめる。
(表紙折り返しより)
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