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「絶望ノート」
歌野晶午





いじめに遭っている中学2年の太刀川照音は、その苦しみ、両親への不満を「絶望ノート」と名づけた日記帳に書き連ねていた。そんな彼はある日、校庭で人間の頭部大の石を見つけて持ち帰り、それを自分にとっての“神”だと信じた。神の名はオイネプギプト。エスカレートするいじめに耐えきれず、彼は自らの血をもって祈りを捧げ、いじめグループ中心人物の殺人を神に依頼した。「オイネプギプト様、是永雄一郎を殺してください」―はたして是永はあっけなく死んだ。しかし、いじめはなお収まらない。照音は次々に名前を日記帳に書きつけ神に祈り、そして級友は死んでいった。不審に思った警察は両親と照音本人を取り調べるが、さらに殺人は続く―。 (「BOOK」データベースより)




この題名ですからね。
いやな予感がしたのですが、やっぱり、読むのが辛い本でした。

学校でいじめに遭っている中学2年生の太刀川照音が、その様子を赤裸々に書き留めたノートが「絶望ノート」。
陰湿ないじめによってずたずたにされる照音の心とプライド。
でも、どこにも逃げ場はなく、ただただ、その日の出来事をこのノートに綴ることだけが、彼の心の拠り所になっていた・・・。

いじめの実態と、そんないじめに遭いながらも、どこにも助けを求めない彼。
虐められていることは、恥だと考えてしまうその心理。悲しすぎます(TT)。

終盤まで、延々と続くいじめられっ子の独白。
辛すぎて、本当に、途中で、読むのをやめようか・・・と思ってしまいました。

でも、最後まで読んでください。

まあ、最後まで読んでも、さわやかな読後感を得られることはないのですが・・・。

でも、とても考えさせられます。
人間の多面性。
表と、裏の顔・・・。

あぁ、やっぱり、救いがないかもーーー(^^;。 (2009,12,09)