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「ビューティ・キラー1 獲物」
チェルシー・ケイン   高橋恭美子(訳)



ポートランド市警刑事アーチーは、久しぶりの現場復帰に大いなる不安と興奮を覚えていた。あの忌まわしい事件から2年ーー彼を身も心もずたずたにし、そのたぐいまれなる美貌と鮮やかなまでの殺害方法をして<ビューティ・キラー>と呼ばれた女性連続殺人鬼グレッチェンは今、獄中にいる。だがアーチーは未だその毒牙にかかったままだった。今度の事件は女子高生を狙った連続殺人事件だ。殺人鬼は次の獲物を狙っている。捜査に集中しようと焦るアーチーを覆うグレッチェンの影・・・。過去と現在、二つの事件に終止符を打つことはできるのか?各国でベストセラー、期待の新人サスペンス! (裏表紙より)




連続女子高生殺人事件の捜査を担当したのは、かつての猟奇殺人事件で、最後の犠牲者となったアーチー刑事だった・・・。
ちょっとややこしいこの設定。
読んでゆくと、徐々に、その恐ろしい事実が分かってきます。

身も凍るような猟奇殺人鬼、グレッチェン。
彼女の毒牙にかかり、未だ身も心も癒されることのないアーチー刑事が、果敢に挑む連続殺人事件。
その事件を密着取材する権利を与えられたスージー。

グレッチェンの異常で残酷な拷問シーンが、夢にまで、出てきました。
悪夢だわーーー(泣)。

グレッチェンと、アーチーの関係が、いったいどうなるのか。
アーチーは、彼女との関わりを断ち切ることなく、このまま、彼女の虜になってしまうのか??
そして、彼女とスージーの関わりは??

ただの猟奇殺人ものではなく、犠牲となったアーチー刑事の再生物語でもあります。

美しく、聡明で、異常なグレッチェン。
最後には、彼女の鼻をあかしてやりたい、どうにかして、絶望感を味あわせてやりたいと思ってゆきました。

ただ、この3人で、続編があるそうな・・・。
ってことは、まだ断ち切れはしない訳なのねーーー。

面白かったですが、残酷描写が多いので、読む人を選びます。
お気を付けてね。 (2010,02,07)