シネマチェックトップページbook作家別index題名別index     



「アリスのティーパーティ」
   
桑原茂夫


『不思議の国のアリス』や、『鏡の国のアリス』のなかでアリスはじつにさまざまなキャラクターに出会っている。へりくつ屋のウサギ、哲学的会話を得意とする青虫、ニヤニヤ笑いと神出鬼没を身上とするネコ、死刑宣告しかしないトランプのハートの女王等々・・・これらキャラクターの由来まで追求しながら『アリス』を読む、本格的アリス読本。 (裏表紙より)



映画「アリス・イン・ワンダーランド」を見た後、
「そういえば、『鏡の国のアリス』の本が、どこかにあったなぁ」と、思いついて、本棚を探していたら出てきた本です。・・・結局、残念ながら『鏡の〜』は、なかったんですけどね(^^;。

大昔の本で、今は絶版になっているかもしれない本ですが、
簡単な、アリス読本として、また、ルイス・キャロルの人物像を知るための本として、とても役に立ちました。

「アリス・イン・ワンダーランド」をサラッと見ているだけでは分からないような、
いろいろなエピソードや、謎解きが、いろいろ書かれています。

例えば、ジョニー演じる帽子屋。
彼が、事ある毎に、「大ガラスと書き物机」について語っていたのは、
帽子屋が出したナンセンスな”なぞなぞ”がモチーフだったり。
帽子屋がいつもティーパーティにいるのは、調子っぱずれな歌を歌ったから・・・とか。

三月ウサギが、発情期の(気の狂ったような!)ウサギのことだったり。

「死刑!」が大好きな赤の女王とか。

他にも、映画に描かれなかったエピソードがいっぱい。
挿絵付きなので、更に面白かったです。

しかも、アリスに出てくる”言葉遊び”の解も書かれてあるので、安心して読めました。

この本を読むと、ルイスが、いかに”言葉”に執着していたのか、分かります。

と同時に、これを、他の言語に訳すことの難しさも、想像できて、
この本の著者の桑原氏も書かれているように、アリス本を日本語に翻訳された方々の苦労がしのばれます。

また、本は、ルイス・キャロルの人物像にも、触れていますが、
どうやら、アリスのような、”少女”に、いたく執着された人のようで・・・(^^;。
はぁ、そうなのですか・・・という感じですねぇ(^^)。

とにかく、『不思議の国のアリス』、『鏡の国のアリス』を、また改めて、読みたくなってしまいました(^^)。 (2010,04,24)







↑古い本なので、ないかと思ったけど、amazonなら、中古だけど、あるんですね〜(^^)。↑