「数えずの井戸」
京極夏彦
数えるから、足りなくなる。それは、はかなくも美しい、もうひとつの「皿屋敷」。人口に膾炙し怪談となった江戸の「事件」を独自の解釈で語り直す人気シリーズ第三作。
(内容紹介より)
|
苦手なのに、何故か惹かれる京極夏彦さんの本。
江戸怪談シリーズ第三弾です。
といっても、そんなシリーズ、知りませんでした。
前二作は、四谷怪談の「嗤う伊右衛門」と「覘き小平次」だそうです。
「覘き小平次」のオリジナルって、何なんでしょうねぇ??
今回は、あの有名な、「一ま〜〜い、二ま〜〜い」の、”番長皿屋敷”。
女中の菊が、大事なお皿を割って、お手討ちになり、
夜な夜な井戸から現れて、お皿の数を数え続ける・・・。
でもやっぱり一枚足りないーーー。
うらめしや〜〜〜。
・・・ですね。
でも、京極版皿屋敷は、
ひと味もふた味も違いました。
いろいろな人物が、登場して、
それぞれの心情を切々と語ります。
本の体裁は、京極さんらしく、750ページを超える分厚さ。
片手で本を持って読む私は、左肩ばかり凝って仕方ありませんでした(^^;。
前半は、なかなか話が見えず、進まず、読み進むのが大変でしたが、
終盤になってくると、さすがに、皆の気持ちが集約されて、盛り上がってきます。
でも、読みながら、やっぱり京極さんの本は、苦手だなぁと思いました(^^;。
このグダグダ感がファンには、たまらないのでしょうけど、
私には、まどろっこしくてイライラしてしまいました。
ただ、青山家の井戸のある庭のじめつき感と、ぽっかりと開いた井戸の怖さを、感じることは出来ました。
そして、本の装丁へのこだわりも・・・(^^)。
(2010,05,23)
|
|
|
|