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「アミダサマ」
   
沼田まほかる


 
幼な児の名はミハル。 廃棄された冷蔵庫から生まれた物言わぬ美貌の子。 ミハルが寺に引き取られてから集落はじわじわと変わってゆく。そして猫の死。そして母の死。アミダサマ! ミハルは無心で阿弥陀仏に何かを念じているようだった。冥界へ旅立つ者たちをその手で引き止めるために。痛切なその叫びは 冷蔵庫の扉を開けた男にもしっかりと届いていた・・・。 (帯より)



自分の理解を超えたものに対する恐怖って、ありますよね。
この本は、そんな恐怖を描いています。

冒頭から、よく分からない力を感じました。

薄気味悪く、夜読むのをちょっとためらってしまうような・・・(^^;。

無責任な大人に、捨てられた、実は、大きな力を持った、邪気のない子供。
その悪気のない願いが、世界を徐々に変えてしまう・・・。

彼女の猫に対する思いの強さに、
ネコ飼いでありながら、ゾゾゾーーーっとしてしまいました(^^;。

寺のお母さん、千賀子の変貌は、痛々しく、おぞましく・・・。
清く正しく、慎ましやかに生きてきたであろう彼女のそれまでの生涯が、汚されてしまったのが、残念でした。

ラストは、どうなったのか、はっきりとは分からないのですが、
律子によって、救われた・・・んでしょうねぇ。

純粋な愛によって、人は救われ、清められ、新しく生まれ変わるってことでしょうか??

浄鑑は、あの後、どのように、辻褄合わせをしたのでしょう。

分からないことだらけだけど、結構面白く読めました。 (2010,06,02)