「乱反射」
貫井徳郎
幼い命の死。報われぬ悲しみ。遺された家族は、ただ慟哭するしかないのか?良識派の主婦、怠慢な医師、深夜外来の常習者、無気力な公務員、尊大な定年退職者。複雑に絡み合うエゴイズムの果て、悲劇は起こった…。罪さえ問えぬ人災の連鎖を暴く、全く新しい社会派エンターテインメント。
(「BOOK」データベースより)
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気がつかないうちに、あるいは、ちょっとした罪悪感を感じながら、私たちは、社会のルールから外れた事をしてしまうことがあります。
でもそれは、たいていは、すぐに忘れてしまうようなことばかり。
しかし、その積み重ねによって、人の命が奪われていたとしたら・・・。
こんな事って、実際あるのかもしれないなぁと、思いながら読みました。
たとえば、わかりやすいところでは、誰かが、駐禁の所に車を止めたばかりに、
その先の路地の火災に消防車が向かえずに、死傷者が出る・・・。
でも、駐車違反をした人には、違反切符が切られるだけ。
この本には、もっと些細なことの積み重ねが延々と語られます。
あぁ、こんなこと、あるある!
と思うことも多く、でも、いささか長くて、飽きてきた頃に、何かしら不幸が起こる前兆を表す一文が・・・。
亡くなった子供の両親の気持ちは痛いほど分かります。
でも、糾弾された人たちの反応も、これまたよく分かってしまうのでした。
人間、清く正しく、一点の濁りもなく生きられるものでもないよな〜と思ってしまいます。
いささか分厚い本でしたが、すらすらと読めました。
結局は、落ち着くところに落ち着いた感じです。
言われたら、その通りだけど、そこまで言うのは、どうなんだろう??という話でした。
冒頭のゴミ捨て云々がもっと事件に関わってくるのかと思ったのに、ちょっと肩すかしかな。
(2010,08,29)
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