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「植物図鑑」
有川浩   
   

 
ある日、道ばたに落ちていた彼。「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか?咬みません。躾のできたよい子です」「―あらやだ。けっこういい男」楽しくて美味しい道草が、やがて二人の恋になる―。書き下ろし番外編に加え、イツキ特製“道草料理レシピ”も掲載。 (「BOOK」データベースより)



「図書館戦争」以来、有川さんの作品は、お気に入りで、苦手なライトノベルっぽいノリなのに、いつも思わず引き込まれ、ドキドキしてしまいます。
でも、今回の本の題名は、「植物図鑑」・・・私、植物、苦手だからなぁーーーと、あまり気が進まないまま、読み始めました。

ある夜、道ばたに落ちていた”いつき”を拾って、お持ち帰りした”さやか”。
冒頭から、なんて、おとぎ話っぽいのでしょうーーー(^^;。と、ちょっと退き気味。
だって、こんな事、あり得ないほど危険!と、不快感さえわき上がりました。
しかも、出てくる男女が、いつもの有川さんの、いつものパターンの男女・・・。
二人とも、とてもいい人で、優しくて、そして、照れ屋さん。
もちろん、いつも、全く違う人物なのに、あら、またまたこの二人なのねーーーって、感じの二人です。いわゆる、ワンパターン?!(^^)。
しかも、彼の後半の行動は、どんな理由をつけても、私には絶対許せないのです・・・。

でも、それ以外の内容は、とってもよかったです。

何しろ、題名通り”植物”たちのことが詳しく語られていて、とても面白く、ためになる一冊なのでした。

私は、冒頭にも書いたように、植物は苦手・・・。
花の名前なんか、オーソドックスな、桜、とか、チューリップとか・・・そんな物しか知らない私でさえも、
おぉ!!と、思わず、感動してしまう、内容です。

植物なんて、観賞用以外は、”草”と、ひとくくりにしていたのですが、
でも、こうして見ると、一つ一つが、とてもかわいらしくて、いろいろな特徴があることが感動的ですらあるのです。
しかも、みんな、姿形を愛でるだけでなく、おいしく食べられるって、ところが、限りなくナイスですね〜〜!!

前後の表紙の裏には、本の中に出てきた植物が、カラーで、それこそ”図鑑”のように、並んでいる親切設計!
巻末には、本の中に出てきた、レシピも、書かれていて、至れり尽くせりです。

もし今の季節が、春だったら、私も、この本を片手に、植物たちを探しに行っちゃったかも。
”のびる”食べた〜〜い。
”ふき”や”野いちご””アップルミント”も、自分で見つけたら、どんなにおいしいだろう??あぁ、いいな〜〜!!
出来たら、それらを探しに行く前に、いつきのように、草花に詳しい人を見つけて、連れて行ってもらえたらベストよね〜〜(^^)。
まあ、それは、欲張りって事で、とりあえず、春になったら、タンポポでも、調達しましょうかねぇ。 (2010,09,30)