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「オーディンの鴉」
福田和代  
   

 
監視される恐怖。
もう逃げられない!!
「私は恐ろしい」。不可解な遺書を残し、閣僚入り間近の国会議員・矢島誠一は、東京地検による家宅捜索を前に謎の自殺を遂げた。真相を追う特捜部の湯浅と安見は、ネット上にあふれる矢島を誹謗する写真や動画、そして、決して他人が知り得るはずのない、彼の詳細な行動の記録を目にする。匿名の人間たちによる底知れぬ悪意に戦慄を覚える二人だが、ついに彼らにも差出人不明の封筒が届き始める・・・。
見も知らぬ人間が、俺のすべてを知っている! (帯より)



恐ろしい話でした。
自分の情報が、ネットにじゃじゃ漏れになったとしたら・・・。

周りを思わず見回してしまいます。

平気で、ネットで買い物、カードで買い物、カードで電車・・・、してますからね〜。
これらの記録は、すべて安全に残されているはずですが、
この情報すべてが、もし、悪意を持って使われたら・・・と思うと、ぞっとしてしまいます。

そんな大きな力、あるわけないとは思うのですが、
それでも、自分たちの知らないところで、密かにそれらが使われていないとは、断言できない恐ろしさがあります。
そう考えると、ぞぞっとしてしまいました。

そして、その情報が、ネットで、拡散し、拡大し、増殖してゆくとしたら・・・。

中国発祥と言われる、”人肉検索”というのがあるそうです。
この名前からして恐ろしげなのですが、
これは、ネット検索しても分からないことでも、ネット上の、匿名の協力者によって、たちどころに調べ上げてしまうシステムなのだそうです。
これが、いい方向に使われるのならば、何の問題もなく、便利なだけですが、
実際には、個人攻撃に使われたりして、問題になっていることも多いということで、
これがもし、自分に対して行われたら・・・と思うと、本当に、怖いです。

ネットでの買い物、気楽にしているけど、止めた方がいいかな〜〜と、一瞬考えてしまいました。
便利だから、やっぱりまた使っちゃうんだろうけど・・・。

福田和代さんの本は、初めて読みましたが、
読みやすくて、面白いので、この方も、これから読む本のリストに追加!(^^)。 (2010,10,19)