「片眼の猿」
道尾秀介
俺は私立探偵。ちょっとした特技のため、この業界では有名人だ。
その秘密は追々分かってくるだろうが、「音」に関することだ、とだけ言っておこう。
今はある産業スパイについての仕事をしている。地味だが、報酬が破格なのだ。
楽勝な仕事だったはずがーー。
気付けば俺は、とんでもない現場を「目撃」してしまっていた。
(折り返しより)
私は、新刊書で読みましたが、元々は、ケータイに配信された小説のようですね。
なるほど、読み始めは、とても軽い感じで、すらすらと読みやすかったです。
でも、ケータイ小説だからといって、侮るなかれ。
ラストには、「してやられた!」と思いましたから(^^)。
主人公は探偵で、ある会社のライバル社の動向を探るべく、密かに動いていたが、
ある時、殺人事件に巻き込まれてゆく・・・。
探偵物語として、普通に面白かったです。
ただ、この主人公、他の人とは、違った容姿と、能力を持っていた・・・。
なんだか、ライトだなぁと思いつつ、
それでも、登場人物たちの、濃いキャラクターによって、楽しく読み進めました。
話の初期に書いてあった、ある言葉によって、イメージが、ミスリードされているとも知らずに・・・(^^)。
読み終わって、また、もう一度最初から読み直してしまいました(^^)。
思い込みって、怖いなぁ(^^)。
奇抜ですが、人間としての優しさを感じられて、読後感は、すがすがしかったです。
(2011,09,13)
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