「ユリゴコロ」
沼田まほかる
暗黒の欲望にとり憑かれ、さまよう魂。運命は、たったひとつの愛と出会わせた。
沼田まほかるの小説は、身も心もからめとるーー。おそるべき筆力で描ききった衝撃の恋愛ミステリー
私は人を殺すときだけ、世界とつながれるのです。
(帯より)
不気味で怖い、沼田まほかるワールドが広がります。
たたみかけるように不幸に見舞われた主人公は、父の書斎で、見慣れぬノートを見つける。
抗いがたい力を感じつつ、ノートを読み始めた彼は、その内容に、戦慄する・・・。
出だしから、主人公ばかりか、私も、読むことを止めることが出来ませんでした。
いったいコレはなんなのか?!
そして、ユリゴコロとは??
ユリゴコロ・・・は、読み進むうちに、その正体が分かりますが、
”ユリゴコロ”のない子どもって、いったい何なのでしょう。
何か、そういう医学的に分類されるような病気があるのでしょうけれど、まあ、それは、いいでしょう。
このノートを書いたのは誰で、いったいこれは真実のことなのか。
そして、そのことと、自分とのつながりは・・・?
こんなに怖ろしくて、おぞましいのに、その根本にあるのは、大きくて、あたたかくて、運命的な”愛”でした。
血なまぐささがリアルに感じられる箇所もありますが、是非最後まで読んでください。
しばらく沼田さんにはまってしまいそう(^^)。
(2011,11,4)
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