シネマチェックトップページbook作家別index題名別index     


「アリアドネの弾丸」
海堂尊


東城大学病院で再び殺人事件が!「この事件はすべてが不自然すぎる。絶対にどこかがおかしいんだ」東城大学病院に導入された新型MRIコロンブスエッグを中心に起こる事件の数々。さらには、病院長に収賄と殺人の容疑がかけられてしまう!殺人現場に残されていた弾丸には、巧妙な罠が張り巡らされていた…。不定愁訴外来の担当医師・田口公平が、駆けつけた厚生労働省のはぐれ技官・白鳥圭輔とともに完全無欠のトリックに挑む。 (「BOOK」データベースより)



海堂尊さんの医療ミステリーです。
おなじみの、不定愁訴外来・田口公平医師と、厚生労働省技官の白鳥圭輔などが登場して、丁々発止のやりとりで楽しませてくれました。

実は、このシリーズを読むのは久しぶりなので、人物が登場するたびに、「あれ?!この人誰だっけ??」みたいな感じでしたが、読んでいく内に、徐々に思い出してきました。

冒頭は、医師・海堂尊の思いの丈がたっぷり詰まった内容ですね。

日本の、”死因不明社会”に対する疑問。
解剖・・・というと、一瞬ギョッとする人も多いでしょうが、
不明死の場合は、解剖が原因究明への一番の近道。
今の日本では、明らかな原因がない場合は、全て”心不全”で、終わってしまいますからね。
ひょっとすると、殺人事件が、闇から闇に葬られているってことも多いのかもしれません。

そんな現実で、解剖よりも、手軽?に、遺体を傷つけることなく、死因が分かれば、さらに、いいですよね〜。
それを可能にするのが、田口医師がセンター長になったエーアイ。

ただ、問題は、費用の点と、警察との問題。
警察との主導権争いって・・・そんな事があるのね〜〜。

ということで、やっと本題へ・・・(^^)。

さすが現役医師海堂さんの書かれたミステリー。
医学的なことが詳しく書かれていて、しかもそれが分かりやしくて、面白かったです。

いつも人を食ったような言動で、イラッとさせられる白鳥技官ですが、
今回の彼は、文字通り、八面六臂の大活躍。
口を開けば、イヤな奴だけど、本当にしっかり働いてくれて、最後まで楽しませてくれました。

ドラマ化はされたようだけど、映画化もするのかな?? (2012,02,15)