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「ドグラ・マグラ」
夢野久作



「ドグラ・マグラ」は、昭和10年1500枚の書き下ろし作品として出版され、読書界の大きな話題を呼んだが、常人の頭では考えられぬ、余りに奇抜な内容のため、毀誉褒貶が相半ばし、今日にいたるも変わらない。<これを書くために生きてきた>と著者みずから語り、10余年の歳月をかけた推敲によって完成された内容は、著者の思想、知識を集大成する。これを読むものは一度は精神に異常をきたすと伝えられる、一大奇書。 (帯より)



1935年に刊行された、日本三大奇書のひとつといわれる夢野久作の作品です。
”本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす”といわれる、曰く付きの作品です。
そう言われると、かえって、読まずにはいられないですよねぇ(^▽^)。

しかしながら、想像以上に読むのに苦労してしまって、他の本を読みながら読んだせいもあり、買ってから、1年近くかかって、やっと読み終わりました。
しかも、一度読んだだけでは、理解することが出来ず、結局、2回読むことになりました。

でも、読み直した甲斐は、十分にありました。
一度目は、何回も、挫折しかかりながらも、読み飛ばすことなく、丁寧に読み、二度目は、改めて、全体の流れをおさらいしたのですが、
なるほど〜、一度目には、見えなかったことも、二度目には、あぁ、成る程ね〜と、見えてくるのでした。
というわけで、この本は、一度読んだだけでは、到底その面白さを知ることは出来ない本なのだと痛感しました。
なるほど、著者が、推敲に推敲を重ねたと言われる本作だけのことはある、奥の深い物語というわけです。

でも、2回ぐらい読んだからといって、全てを理解出来たわけでは、もちろんありません。
いまだに、謎のまま、分からないところもあり、もう一度読もうかななんて思ったりしているところです。

ただですね、これを読破するのは、なかなかに辛いことも事実です。
特に、前半!
もう、何回、読み飛ばしてしまおうか!と思ったことか!!
これらの部分も、著者にとっては、こだわりのあるところなのでしょうけど、読む方にとっては、無駄と思われる箇所も多く、本作をじっくりと、読むのは、相当な覚悟と、我慢?!が、必要なのでした。
ただ、読み終わってしまうと、もう一度読み直してみたいという、欲望に駆られる作品でもあるので、そこらへんが、”奇書”としての魅力でもあるのかもしれません。

驚いたことに、この作品、映画化もされているばかりでなく、漫画にまでなっているそうです。
映画の方は、是非、一見してみたいです。 (2013,04,30)