「ふくわらい」
西 加奈子
マルキ・ド・サドをもじって名づけられた、書籍編集者の鳴木戸定。25歳。唯一の趣味は、暗闇でのひとり遊び―。
(「BOOK」データベースより)
とても面白かったです。
子どもの頃の遊び”ふくわらい”から、こんな物語が紡ぎ出されるとは、驚きでした。
他人の顔のパーツを自由に移動させて遊ぶなんて、すばらしい(^▽^)。
固定概念を、ぶっ壊し、かつ、優しさにあふれた物語です。
話の中には、主人公、鳴木戸定をはじめとして、一風変わった登場人物達がたくさん出てきます。
その中でも、私のお気に入りは、なんと言っても、いろいろなギャップがてんこ盛りで、定のことが大好きな武智次郎。
特に彼の、”先っちょ”思考からは、笑えるけど切なくて、切実な思いが、とても伝わってきました。
でも、本として読む分には面白くても、もし、身近にこういう人たちがいたら、ちょっと・・・というか、だいぶ面倒・・・で、思わず避けてしまうかもしれません(^_^;。
自分の心の狭さも改めて認識されますねぇ(^_^;。
やっぱり、定は、偉い。
ただ、ラストの彼女の行動の意味が、イマイチ分からなくて、理解に苦しみました。
自分の解放と、他人に惑わされない強さを体感したかったんでしょうか??
それとも、ただ単に、幸せを周りに、お裾分けしたかったんでしょうか??
西さんの作品は、大阪弁で書かれている本は、読みにくかったのですが、今回は、その点、とても読みやすかったです。
(2013,05,15)
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