図南の翼
小野不由美
国を統べるのは、あたししかいない！恭国は先王が斃れて２７年、王不在のまま治安は乱れ、妖魔まで徘徊していた。首都連檣に住む少女珠晶は豪商の父もと、なに不自由ない暮らしを与えられ、闊達な娘に育つ。だが、混迷深まる国を憂える首相はついに決断する。「大人が行かないのなら、あたしが蓬山を目指す」とーーー１２歳の少女は、神獣麒麟により王として選ばれるのか。（表紙折り返しより）
王が崩御してから２７年、乱れた国のために、たった１２歳の少女が王になるために、蓬山を目指す話です。
たった１２歳で！しかも、一人で！！
誰もがあり得ないと思う中、勝ち気で、賢い珠晶は、大人を圧倒しながら、険しい道程に挑むのでした。
１２歳の子供が主人公・・・と驚いたのですが、これが又、最高に面白かったです。
これまでちょこちょこと話を聞くだけだった昇山の詳しい話が語られます。
どれだけ熾烈で、苦しい旅なのか。
この道を踏破しなければ王になれないというのなら、大の大人が尻込みする気持ちも分からないではないですねぇ・・・。
この冒険譚だけでも、相当面白いのに、この章の主人公、珠晶のキャラクターがとてもよくて、面白いことこの上なく、一気に読んでしまいました。
終盤の駮との別れなど、思わず涙しそうでした・・・(T_T)。
ということで、次は 「黄昏の岸 暁の天」。
ますます楽しみ(^_^)。
(2016,01,14)
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