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夜は一緒に散歩しよ
黒史郎


「パパ、さんぽしよ」あの夜の川の散歩道は、千秋にとっては特別だったようだーー (帯より)



久しぶりに日本のホラー作品を読みました。
第1回『幽』怪談文学賞長編部門大賞受賞作品です。(今はもうない文学賞ですが)

前半の不気味さは、秀逸でした。
読んでいて怖くて怖くて・・・(^_^;。
自分の肩の上にあの顔が乗っていたらどうしようとか思ったり、お風呂で洗髪するのも怖くて大変でした(^_^;。←どんだけ恐がりなのよ?!(^_^)

でも、それも、中盤まで。
後半は、新たな人物が登場して、一気に怖さがなくなりました。
その人こそが怖さの張本人だったのですが・・・。
終盤は、つじつま合わせが感じられて、がっかり感が強かったです。

怖がりながら読んでいた前半も、子供の異常行動をあまりにも楽観視、もしくは無視しようとする主人公に、ひたすら違和感を感じていました。

前半の怖さが、憖(なまじ)でなかっただけに、残念さが残る作品でした。
(2017,01,23)