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追憶
青島武


2006年3月、王貞治監督率いる日本代表は、第一回ワールド・ベースボール・クラシックで世界の強豪と激戦を演じていた。同じ頃、北海道警察本部刑事部捜査一課の四方篤は、すすきののラーメン店で、野球仲間だった川端悟と29年ぶりの再会を果たす。川崎市在住の川端は、金策のため北海道にやってきたという。その翌々日、小樽市郊外の臨海部で川端悟の刺殺死体が発見された。彼は死の前日、娘との電話で「懐かしい人たちに会った」と言い残していた。四方は、容疑者として浮上した人物もまた、古い友人であることを知るーー。超大型映画「追憶」原作小説! (裏表紙より)



今年、豪華キャストで映画化された作品です。
映画を見に行けなかったので、とりあえず、原作を読んでみました。

絶対に口に出せない秘密を抱えた3人が、29年ぶりに再会して、そして、一人が殺された・・・。

29年前の出来事と現在の話が描かれる大作なのですが、原作は、意外と薄い本でした。
なので、一気に読み終えました。

でも私は、最初の設定で、つまずいてしまいました。
あのような過去を持つ主人公が、もっとも遠ざかりたいはずの警察に勤務することにしたとは、ちょっと信じがたく、現実味が感じられなかったのです。
このことによって、幼なじみの3人が、被害者、容疑者、追跡者という立場に分かれるわけですが、あまりにもできすぎで、あざといというか、そんな気がしてしまいました。

そこは無視したとしても、今度は結末が、とってつけたような、唐突な感じがしたのです。
人物の書き込みが、もうちょっと丁寧だったらよかったのに・・・。
そんなわけで、映画の予告編の印象とは違って、あっさりと軽く読み終えました。
ちょっと肩すかし気味・・・(^_^;。

映画は、原作とは設定がちょっとずつ変えられているようなので、そのところも楽しみながら、地上波放送を待ちたいと思います。 (2017,08,30)


映画「追憶」(2017)