百年泥
石井遊佳
芥川賞受賞 洪水の泥から百年の記憶が蘇る。大阪生まれインド発、けったいな荒唐無稽ーー魔術的でリアルな新文学!
(帯より)
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第158回芥川賞受賞作です。
芥川賞受賞作というと、取っつきにくいのですが、今回は、著者が実際に体験した100年に一度のインドの大洪水の話ということを聞いて、興味を持ちました。
異文化で暮らす女性が目撃した大洪水とは、いったいどんな感じだったのでしょう?!
と、きまじめに考えながら読んでいると、ちょっと違いました(^_^;。
最初にそれを思い知らされたのは、”飛翔通勤”です。
危うく私は、「ねぇねぇ、知ってる?インドってさ・・・」と、人に言いふらすところでした(^_^;。
先にネットで調べてよかった・・・。
そんなわけで、その後は、話半分に読んでいたのですが、それでも、なかなか趣のある本で、面白く、そして、考えさせられました。
この発想、素晴らしいです。
100年に一度の大洪水の後の泥には、100年分の人の思いが詰まっていたのです。
いかにも大阪人(著者は大阪出身)の、滑稽だけれど、人情味のあるお話、そこに異文化も加わって、とても面白かったです。
(2018,04,02)
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