かがみの孤城
辻村深月
あなたを、助けたい。
学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――
なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。
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主人公は、学校に行かれなくなった中学生の少女、こころです。
彼女の気持ちが、とても繊細に描かれていました。
ほんの小さな事にでも、粉々に傷ついてしまう心が痛々しくて、彼らは、こんなに苦しい気持ちなんだと、
改めて気がついた気がします。
そんなある日、彼女の部屋の鏡が光り、その中に入ってみると・・・。
これは、救いの物語でした。
様々な形で傷ついた子供たちが、仲間を得て、それぞれに考えながら、再生してゆく物語です。
彼らは、境遇こそ違え、同じような立場の、言わば仲間たちですが、その中でさえも、ぎくしゃくすることもあれば、いやだなと思ったら、逃げ出すこともある。
そうやって、徐々に人に対する恐怖を克服してゆくようでした。
やっぱり、人には、逃げ場があるって、大切ですね。
こんな世界があればいいな、こんな大人がいればいいなということが描かれていて、ちょっと都合がいいような気もしますが、だからファンタジーなのでしょう。
彼らの関係については、彼らの話題の中で察することが出来たので、終盤は、少々長く感じてしまいました。
そういう意味では、少年、少女向きですかね。
(2019,02,06)
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