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インシテミル
米澤穂信



「ある人文科学的実験の被験者」になるだけで時給十一万二千円がもらえるという破格の仕事に応募した十二人の男女。とある施設に閉じ込められた彼らは、実験の内容を知り驚愕する。それはより多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う犯人当てゲームだったーーー。今注目の俊英が放つ新感覚ミステリー登場。(裏表紙より)



ということで、「満願」の次に読んだ作品が何故かこれでした。
読み始めて、アレ?!と思って、よく考えたら、映画化された作品「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」が鑑賞済みでした(^_^;。
しかも、ぼろくそな評価(^_^;。
よほど読むのをやめようかなと思ったのですが、Amazonでの本の評価が意外とよかったので、気を取り直して読み続けました。

なるほど、普通に面白かったです。
まさに「そして誰もいなくなった」風なシチュエーション。
誰にも殺人の動機がなく、どうしてここからデスゲームに発展するのかと思っていたら、まんまと、主催者側の思うつぼになる流れがよく出来ていました。
鍵のかからない部屋、湾曲した廊下、夜間外出禁止など、面白い仕掛けがあり、極限の状況に置かれる彼らが疑心暗鬼になるのも、分かるような気がしました。

そして、本の中には、有名な推理小説についても触れられているところがあり、あれもこれもと、読んでみたい小説が増えてしまいました。(巻末の香山二三郎さんの解説を読むとなおさらです。)

映画がどうしてそんなに面白くなかったのか、検証するためにも、また映画の方を見たくなってきました。 (2019,03,25)