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Xの悲劇
エラリー・クイーン   鮎川信夫訳



鋭敏な頭脳を持つ引退した名優ドルリー・レーンは、ブルーノ地方検事とサム警視からニューヨークの路面電車で起きた殺人事件への捜査協力を依頼される。毒針を植えつけたコルク球という前代未聞の凶器を用いた大胆な犯行、容疑者は多数。名探偵レーンは犯人xを特定できるのか。巨匠クイーンがロス名義で発表した、不滅の本格ミステリたるレーン四部作、その開幕を飾る大傑作!(「BOOK」データベースより)



図書館閉鎖が続くので、またまた本棚から古い本を持ち出してきました。
エラリー・クイーンの代表作のひとつですが、読んだことがなかったので、ワクワクしました(^_^)。こんな時期でも、何かしら楽しい事ってありますね(^_^)
ただ、本が古くて(1968年の版!)ほこり臭いのと、字が小さいので苦労しましたけど(^_^;。

何しろ古い作品なので、推理小説とはいえ、退屈かもしれないなと思いつつ読み始めたのですが、これが、とても面白い!
こんなに時代を経ていても、やはり名作は名作のままなんですね。

探偵役は、元俳優のドルリー・レーン。
彼が、めっぽう変わった人物で、住んでいるのも、ハムレット荘という名のお屋敷だし、服装も、趣向も、奇抜です・・・。といっても、”インヴァネスにステッキにフェルト帽”という姿がうまく想像できないままなのですが(^_^;。
その彼が、殺人事件で、警察から捜査の助言を依頼される所から話が始まります。

作品は、”本格推理小説”といわれるいわゆる謎解きを中心としたまさに本格派。
読者にも全てのヒントが与えられて、作品の進行と共に、一緒に考えていくこともできるようです。
私も、一応頭をひねりましたが、すぐにギブアップ。ただの読者に専念しました。

1930年代の話なので、街や人の様子は古くさいですが、その当時のことに思いを馳せながら読むというのもノスタルジックで違和感なく馴染めました。
その上、何故か私は、イギリスが舞台だと勝手に勘違いしてしばらく読んでいたりしたのでした(^_^;。

肝心の、ラストの謎解きは、えぇーー!と、少々肩すかしというか、そりゃ、無理無理でしょう!という感想を抱いてしまったのが、名作と言われているのにちょっと意外でした(^_^;。
それに、レーンがやたらもったいぶっているところがマイナス面かな。でも、名探偵って、たいていそうなんですけどね(^_^)。

次は「Yの悲劇」。こちらの方が評判がいいようなので、楽しみです\(^o^)/。 (2020,04,06)