甘い薬害
ジョン・グリシャム
新開発の特効薬に驚愕の副作用が!現実のニュースを予言したような、グリシャム迫真のストーリー展開。 甘い蜜にむらがる拝金弁護士たち。 罠にかける者とかかる者。 一夜明けたら億万長者になっていた凡人の行く末は? ”人間”を失わない意味とは? 日本の明日が見えるアメリカの今。
「評決の時」「ペリカン文書」「依頼人」などなど数多くのヒット作を持つジョン・グリシャムが2003年に発表した作品です。
有名な作品が並んでいるので、てっきり今までも読んだことがある作家さんかと思ったら、すべて映画化されたものを見ていて知っていただけで、実際に彼の作品を読んだのは、この作品がはじめてで、
緊急事態宣言によって図書館が閉館になる前に、慌ただしく借りた本です。
20年近く前に書かれた作品なので、今の時代には、マッチしていないのかもしれませんが、なんとまぁ!という話でした。
訴訟大国のアメリカでは、大きな事務所に所属して、大金を稼いでいる弁護士もいれば、生活するのがやっとという貧乏な弁護士もいて、その格差が著しいらしいです。
この作品の主人公、クレイ・カーターは、いわばその底辺にいる弁護士。仕事は、弁護士を雇えないような貧困層の弁護を専門に受け持つ公選弁護士。
そんな彼が、集団訴訟をとりまとめる仕事を与えられると、突然、大金が舞い込んできた・・・。
”チャンスの国”アメリカですが、こんな濡れ手に粟のような仕事、あっていいもんでしょうかね(^_^;。
まさに邦題の「甘い薬害」そのもののストーリーでした。
アメリカの話なので、ドルで書かれていて、そのままではピンとせず、ゼロを二つ付けた円に換算しながら読んでいましたが、読めば読むほど、どんどん金銭感覚がおかしくなっていきました。
弁護士ならば、もっと慎重に、よく調査してからとか思いますが、夢のような金額が転がってくるならば、やはり目がくらんでしまうんでしょうかね。
それにしてもこの主人公、仕事的にも人間的にもダメダメでした。やれやれ。
(2021,05,22)
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