羊は安らかに草を食み
宇佐美まこと
認知症を患い、
日ごと記憶が
失われゆく老女には、
それでも消せない
”秘密の絆”があったーー
八十六年の人生を
遡る最後の旅が、
図らずも浮かび上がらせる
壮絶な真実!(出版社より)
認知症の老女とその友人たちの人生を振り返る旅の話のようだったので、あまり興味をそそられなかったのですが、読み進むうちにどんどん引き込まれてゆきました。
旅をしている現代と、遙か遠い日本敗戦時の満州の話が、交互に進んでゆきます。
その満州の話の悲惨なこと(T_T)。
終戦ーー敗戦の時の満州に住んでいた日本人が、どんなことになっていたのかが、リアルに語られていました。
なんてひどい状況でしょう・・・言葉もありません(T_T)。
その当時の話とは別に、老女たちの旅は、続いてゆきます。
ある謎を妊みながら・・・。
終盤は、秘められた事実が明かされ、老女たちの底力を見ることができたような気がします。
(2021,07,19)
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