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オルタネート
加藤シゲアキ


高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須となった現代。
東京のとある高校を舞台に、若者たちの運命が、鮮やかに加速していく。
全国配信の料理コンテストで巻き起こった“悲劇”の後遺症に思い悩む蓉。
母との軋轢により、“絶対真実の愛”を求め続ける「オルタネート」信奉者の凪津。
高校を中退し、“亡霊の街”から逃れるように、音楽家の集うシェアハウスへと潜り込んだ尚志。
恋とは、友情とは、家族とは。そして、人と“繋がる”とは何か。
デジタルな世界と未分化な感情が織りなす物語の果てに、三人を待ち受ける未来とは一体―。
“あの頃”の煌めき、そして新たな旅立ちを端正かつエモーショナルな筆致で紡ぐ、新時代の青春小説。(「BOOK」データベースより)


冒頭数ページは、わからないカタカナ語が数個出てきて、むむ??と、困惑して、
このまま、読み進めることが出来るのか、ちょっと不安を感じました。
しかし、その後、それらの単語の説明がなされて、一安心。
再度最初から読見直すという事態になりましたが、
その難関?さえ越してしまえば、あとは、思った以上に面白く、ずんずん読み進むことが出来ました。
最初は、”アイドルが書いた本”と、ちょっとレッテルを貼っていたのですが、途中からは、そんなことは、すっ飛び、とても面白く読むことが出来たのです。
さすが、数々の文学賞を受賞した作品です。

メインの登場人物が数人登場しますが、それぞれ個性的で、自分の抱えた物を一生懸命乗り越えようとする姿が、さわやかで、 高校生の感性の瑞々しさが、まぶしかったです。
高校生マッチングアプリ”オルタネート”を中心として、料理、植物、音楽と、描かれていることも多岐にわたり、それぞれが魅力的でした。
文化祭のシーンなど、高校、大学時代を思い出して、ちょっとワクワクもしてしまいました。

とても楽しく読み終えたので、次の作品も期待します。 (2021,10,25)