メソポタミヤの殺人 アガサ・クリスティ 考古学者と再婚したルイーズの元に死んだはずの先夫から脅迫状が舞い込んだ。 さらに彼女は寝室で奇怪な人物を見たと周囲に訴える。 だが、それらは不可思議な殺人事件の序曲に過ぎなかった・・・ 過去から襲い来る悪夢の正体をポアロは暴けるか？ 幻想的な味わいを持つ中近東を舞台にした作品の最高傑作、新訳で登場（裏表紙より） イラクのアッシリア遺跡の調査隊で起こった殺人事件のミステリーです。 美しく、魅惑的な調査隊の隊長夫人ルイーズの身の回りで起こる不可解な出来事の数々。 そして、とうとう起こった殺人事件。 その死の真相はいかに？ 今回の語り部は、調査隊に同行していた看護師エイミー・レザランです。 私は、”前の事”もあるので、最初から彼女が犯人か？！と、睨んでいたのですが、またまた大はずれでした(^▽^)。やはり、ポアロには、そしてクリスティには、適（かな）うはずもありません(^_^)。 ポアロによる謎解きは、調査隊員一人一人をまず名指しして、事細かに事件を検証してゆくことでした。 自分の事を皆の前で、あんなに赤裸々に語られたら、私なら心が折れそうなのですが・・・(^_^;。 そして、犯人は・・・！！ またしても、驚くべき真相でした。 でも・・・ ーーーここからネタバレーーー いくら何十年も昔の事とは言え、一度は結婚していた人のことが分からないなんて、あり得る？？ しかも、彼女は、死ぬほど前の夫の事を怖がっていたわけで、いつも頭の中に彼の事があったはず。 それなのに、分からないなんて絶対変だと思うのですが・・・。 ーーーネタバレ終わりーーー 前夫アーチボルド・クリスティ大尉と離婚したクリスティは、１４才年下で考古学者のマックス・マローワンと大ロマンスの末再婚し、その後は、幸せな人生を送ったそうです。 彼女は、夫と共に遺跡の発掘にも行ったそうで、その時の情景がこの作品には、色濃く反映されているようです。 イラクの町のたたずまいや、発掘現場の様子は、クリスティがまさに感じた事なんでしょうね。 その後、”中近東シリーズ”が、何作か描かれているようです。 (2022,02,01)