終活中毒
秋吉理香子
人生は、いつでも大どんでん返し。
たとえ、余命わずかでもーーー
最高の最期、始めますか?
あなたの心に火を灯す驚愕×号泣ミステリー!
(帯より)
題名から、お年寄りの心構えなんかのhow to本みたいな物かなとか思いながら、あまり期待せずに読み始めましたが、実は、とても面白いミステリーの短編集なのでした。
「SDGsな終活」
余命わずかな女性に、寄り添う夫は、実はとんでもない男だった・・・。
でも、女なら分かるよね、こんな男の本心なんて!
「最後の終活」
疎遠だった息子が、妻の死を契機に家に戻ってきた。
家のリフォームの相談にも乗ってくれる頼もしい息子に、ほっと安心していたのだが・・・。
くわばらくわばら・・・
「小説家の終活」
筆を折ったかつてのベストセラー作家は、ライバル作家の形見分けで、古いワープロを持ち帰ったが・・・。
結局彼女の方が、一枚も二枚も上手だったってことか。この結末で安心した。
「お笑いの死神」
若い人が病に倒れるのは、辛いことです。
”死神”の正体はいかに・・・。
このように、主人公の一人一人が濃密に死に近い人たちであることから、”終活”という字のつく題名になったのだと思いますが、題名としては読む人の範囲を狭めているようで、残念な気がしてしまいました。
(2022,11,22)
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