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死者のあやまち
アガサ・クリスティ

田舎屋敷で催し物として犯人捜しゲームが行われることになった。
ポアロの良き友で作家のオリヴァがその筋書きを考えたのだが、
まもなくゲームの死体役の少女が本当に絞殺されてしまう。
さらに主催者の夫人が忽然と姿を消し、
事態は混迷してしまうが・・・。
名探偵ポアロが卑劣な殺人遊戯を止めるために立ち上がる。 (裏表紙より)


壮大な屋敷で行われた犯人捜しゲーム。それは、ただのゲームのはずだった。しかし、死体役の少女が、実際に殺されてしまった・・・。

強烈な個性を持ち、過去作にも数回登場している作家のオリヴァ夫人と、ご存じ名探偵ポアロが登場する作品です。

今回のポアロは、いつになくモタモタしている感じがありました。
それもそのはず、名探偵である彼にもこの殺人事件の犯人を探し出すことは、なかなか難しかったようでした。
当然、読んでいる方も、さっぱり分からず、謎が解けたのは、最後の数ページ。
言われてみれば色々な伏線があったわけですが、その伏線では犯人が分かるはずもない!という謎解きでした。

中盤は、登場人物それぞれが、何やら怪しげに描かれていて、これでは誰が犯人でもおかしくないと思わせるあたりは、さすがにクリスティ、手抜きなしに人物描写がされているわけです。

それにしても、この犯人を当てた読者って、誰もいないのではなかろうか。 (2022,11,26)