ハロウィーン・パーティ
アガサ・クリスティ
推理作家のオリヴァ夫人を迎えたハロウィーン・パーティで、
少女が突然、殺人の現場を目撃したことがあると言いだした。
パーティの後、その少女はリンゴ食い競走用のバケツに首を突っ込んで死んでいるのが発見された!
童話的な世界で起こったおぞましい殺人の謎を追い、 現実から過去へと遡るポアロの推理とは? (裏表紙より)
ハロウィーン・パーティで起こった恐ろしい殺人事件現場には、ポアロの友人で推理作家のオリヴァ夫人がいた・・・。
最近、オリヴァ夫人が登場する回数が増えていましたが、本作にも登場。
事件解決のためにポアロを呼び込みます。
彼女のような、ちょっとお節介な女流作家は、アガサ・クリスティを投影させた人物なのかもしれません。
そのかわり、ヘイスティングスが、南米に引っ込んでしまい、すっかりご無沙汰で、寂しいことです。
この作品では、子供が犠牲になります。
それも、嘘つきで有名な女の子。
なので、ポアロにも真実がなかなか見えて来ないようでした。
舞台になるのは、ハロウィーン・パーティ。
日本でもすっかり定着していますが、日本のそれとは、全く違う感じです。
元々は、子供中心のお祭りなのに、日本では、宗教色のない若者中心のどんちゃん騒ぎですからね。
この本のおかげで、イギリスの正当なハロウィーン・パーティの様子が分かりました。
リンゴ食い競争=日本のパン食い競争のようなものかと思っていたら、どうも、水を張ったバケツにリンゴを浮かべて顔を突っ込んでリンゴをゲットするゲームのようで、それで、周りも本人も水浸しになるようです。
その他にも、レーズンにお酒をかけて火を付け、レーズンを取る”スナップ・ドラゴン”。
小麦粉の山を作って、山崩しする”小麦粉切り”とか。
知らないゲームが色々書かれていて面白かったです。
殺人事件の方は、疑わしい人が絞られていて、犯人を当てやすかったですが、いつものように、最後まで読まないと、その本当の理由は、判然としませんでした。
今回は、子供が犠牲で、しかも殺され方が無残なので、あまり楽しめませんでした。
(2023,03,21)
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