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象は忘れない
アガサ・クリスティ


推理作家ミセス・オリヴァが名付け親になったシリヤの結婚のことで、
彼女は先方の母親から奇妙な謎を押しつけられた。
十数年前のシリヤの両親の心中事件では、
男が先に女を撃ったのか、あるいはその逆だったのか?
オリヴァから相談を受けたポアロは”象のように”記憶力のよい人々を訪れて、
過去の真相を探る。(裏表紙より)


十数年前に起こった不可解な心中事件の謎を解くために、推理作家ミセス・オリヴァから相談を受けたポアロは、自分の能力と、技量を最大限活用して謎解きを始める・・・。
高齢なポアロに代わり、関係者から聞き取りをするのは、最近とみに活躍が目立つオリヴァ夫人。
一見無駄なように思える聞き取りも、ポアロが精査すれば、たちどころに真相が見えてくるところは、さすがポアロです。
一卵性双生児の姉妹と、4つのカツラとくれば、だいたいの流れは、素人にもわかりますが、それをどういう形で整えるかが、ポアロの腕前でしょうか。
ただやはり結末は、少々無理無理っぽく感じられてしまったのは、残念でした。
「象は忘れない」と言うことわざ?は、初めて聞いたので、ちょっと面白かったです。
どんな小さな事でも、決して忘れない人はいる・・・私は、忘れっぽいので、象には、なれませんね。 (2023,04,09)