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カリブ海の秘密
アガサ・クリスティ




転地療養のために西インド諸島を訪れたマープル。
一週間は何事もなく穏やかに過ぎていった。
しかし、まもなく彼女を相手に回顧談をしていた少佐が死体となって発見される。
以前から少佐は何かを憂えていたようなのだが、
いったい何が起こったというのか?
美しい風景を舞台に老嬢ミス・マープルが事件の謎に挑む。 (裏表紙より)


今回のミス・マープルは、”療養”という名目なれど、珍しく海外で事件に遭遇します。
しかも、その場所は、金持ちが集まる美しい保養地。その上、連続殺人事件です。

いつものように、編み物をしながら人間観察に勤しむ彼女。そんな彼女に、意外な相棒?まで現れるので、目先が変わって、面白かったです。

今回も、色々な登場人物が、それぞれ怪しげな態度を取ったりして、読者を翻弄するのでした。
ミス・マープルも、被害者が残した言葉に囚(とら)われて試行錯誤しながらも、真犯人に近づいてゆきます。

それにしても、人間って、なんとまあ、色々な不可思議な行動をするものなのでしょう。
でも、それも、本人にとっては、ひとつひとつ意味のあることなのだから、人間って、面白いです。

そんなわけで、うん、やっぱりアガサ・クリスティといえども、短篇よりも長篇作の方が、ずっと面白いです。 (2023,10,29)