死への旅
アガサ・クリスティ
奥村章子 (訳)
東西の冷戦で二つに引き裂かれているヨーロッパ。 その西側陣営で科学者たちが次々に失踪していた。 いままた、めざましい成果をおさめた科学者ベタートンが行方不明となる。 東側の陰謀なのか?英国情報部はベタートンの妻に瓜ふたつの女性をスパイとして敵地に放つが・・・ 会心の冒険スパイ小説。新訳で登場。解説:中辻理夫
(裏表紙より)
先日読んだノンシリーズの「バグダッドの秘密」の続編か?と思ったほどペーストの似ている作品でした。
素人の女性がスパイとなって、敵地?に乗り込んでゆきます。
その相手とは、豊富な資金力を持つと思われる組織的な団体。
その場所も目的も分かってはいないが、優秀な科学者が次々と失踪していることから、英国情報部は、危機感を強めてゆく・・・みたいな感じの話でした。
クリスティも、時々こうした冒険物の執筆をしていますが、私はどうも、冒険もの自体が好きではないらしく、あまり話に乗れませんでした。
ヒロインとなるのは、自殺願望のある女性。
スパイとなった経緯はともかく、彼女、なかなか優秀のようで、連れさられながらも色々な痕跡を残してゆくのは、本職顔負け?!のスパイのようでした。
そんなわけで、終盤までは、それなりにどうなるのだろう??と、興味を持てたのですが、ラストがイマイチバタバタすぎてがっかりでした。
ただ、話としては、それほど古くさく感じず、現代にそのまま持ってこれるようなところもあり、さすがクリスティとも思ったのですが、それでも、クリスティ作品としては、珍しく残念な読後感となりました。
(2024,09,17)
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