四つの白昼夢
篠田節子
奥村章子 (訳)
コロナ禍が始まり、終息に向かった。
これは目眩?
日常の隣にある別世界。
分別盛りの人々の抱えた困惑と不安を ユーモアと活力あふれる文章で描く四つの風景。
(帯より)
久しぶりに篠田節子さんの本を読みました。
短編集ですが、作品は4つなので、ひとつひとつの読み応えはたっぷり。
篠田さんと言えば、ホラー。ということでホラーを読むのは久しぶりだったので、夜読むのは避けて、昼間、読みました。←超怖がり
◎屋根裏の散歩者
最初の作品だったので、途中、さすがにゾクゾクしました。
いったい何か?どんな事情が???
家の構造が複雑で、どんなに説明されても分かりにくかったですが、成る程、そんなことだったのかと、納得。
でも、やっぱり他人が・・・と思うと気持ち悪いです。
ラストは、意外とあっけらかんとしていて、よかったかも。
◎妻をめとらば才たけて
どんな事情があったのか。
不思議な出来事で、よく知っているはずの親友でも、本当のところは知るよしもなく。
これが、夫婦の不思議なところなのでしょう。
◎多肉
「ーー大切に育ててやれば、お金に変わりますんでーー」
この一言を頼りに希望を持って読みました。
どこをどう間違えたのか。
あの一言さえなかったら、こんなことにはならなかったのかも。
◎遺影
亡くなった母親の笑顔。
どこで、誰と?と思うのも当然でしょう。
ラストは、意外な所に落ち着きました。
ファンタジーですね。
(2024,10,19)
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