平成17年11月末     新型人インフルエンザウイルス発生と学校の飼育は無関係
            H19年宮崎での発生にともない改訂

 日本では鳥のH5M1型鳥インフルエンザウイルスはなく、学校の鶏への対応としては、平常時の対応で十分です。
ただ、外国からの侵入はかんがえられるので、日本に侵入したとき、近くで発生したときなど、は
下に従い対応して下さい。どちらにせよ、日本での「鳥から人への感染は」 だれも気にしていません。

 日本の鶏を守るために、農水省は先頃汚染国から帰国する人の靴を 空港等で消毒するように
指示(依頼)を出しています。
 また、最近 農水省は、茨城の低病原性鳥インフルエンザ免疫の鶏を、観察した結果心配ないので、
流通を許可しましたが、これは、他の鶏に病気を移す心配がないから、流通させたのです。
 もともと人への感染は問題になっていません。
    (厚労省が許可したのなら、人の感染を考えての処置と言えますが、もともと関与していません)

H19年1月宮崎県に発生 対策



教育関係者様                            平成16年12月17日

                          全国学校獣医師連絡協議会   主宰 中川 美穂子
                         (日本小動物獣医師会 学校飼育動物対策委員会副委員長)
                         T0422-53-7099 F0422-56-9086 m-nakagawa@vet.ne.jp

                   これからの鳥インフルエンザ対策について

 これからの本格的な冬に向けて 学校飼育動物に対する鳥インフルエンザに対する対応について今年度も日本小動物獣医師会学校飼育動物対策委員会が文書を発信しま した。

 東南アジアはすでにこのウイルスの常在地になり、WHOは人への新型インフルエンザウイルスの発生に神経をとがらせています。しかし、生活等の条件が違 う日本での新型インフルエンザ発生については心配されていません。
  
 人のインフルエンザは毎年日本でも大量の死者が出る、平均寿命を短くさせる病気であり、アメリカでも昨年だけで3万人も死にましたが、鳥インフルエンザ の場合は、一億羽が死んだ東南アジアでも30名弱の死者しかいない、その亡くなった方はどのような条件だったか、またプールに来る鴨対策は?などの情報に ついては、 「学校飼育動物を考えるページ」に 農水省のかたや厚生労働省の専門の方と話しあった、分かり易い文章が掲載してありますのでご参考になさって下さい。

  
 人も動物ですから、子ども達が、命を理解し情愛を培って、人としての土台を構築するために、学校の鶏たちも効果的に使って欲しいと思います。また、冷静 な視点をやしなうため、困難に際し科学的に対応し、愛情を大事にすることを子ども達に示していただきたく、御願い申しあげます。

<まず必要な基本の注意点>
@インフルエンザシーズンの冬には、特に動物の体力を落とさないように、毎日の世話と餌・水をきらさないように、また段ボールや木製の巣箱を与えて、温か く過ごさせること。

@外国からの感染ルートは不明ですので、野鳥の他に人が靴や手、あるいはおみやげ品などで持ち込むことも否定できません。国外から帰国したとき、身のまわ りにも注意して国内の鳥に接することが必要です。

参考サイト  「学校飼育動物を考えるページ」
          http://www.vets.ne.jp/~school/pets/
        「学校飼育動物研究会」 
         http://www.vets.ne.jp/~school/pets/siikukenkyukai.html



                              以下は日本小動物獣医師会が、昨年に引き続き、今年度発信した文書です

各位                      平成17年12月 1日 

                     新型インフルエンザと高病原性鳥インフルエンザ

                                   日本小動物獣医師会                                                  会長 松林 驍之介

 最近、毎日のように新型インフルエンザのことがニュースとして我々の目に入り、学校の鳥たちは大丈夫なのか、何とかしなければいけないのではないかと対応に不安を感じている方々がおられるとお聞きいたします。そこで、各学校にお願いしたいことは、現在飼われている鳥たちは、適正な飼育をしていれば安全であるということをご理解いただくことと、獣医師などの専門家と連携して適切な飼育を行うことを心がけていただきたいということです。本会学校飼育動物対策委員会は、高病原性鳥インフルエンザに関して、各学校がどのように対応したらよいかについて下記のとおりご提案致します。各教育委員会及び各学校でご利用いただければと思います。 

                       記

◎新型インフルエンザと高病原性鳥インフルエンザについて

 新型インフルエンザは、高病原性鳥インフルエンザウィルスが人や豚の体内で人型に変異し、人から人へと容易に感染し、人間社会で爆発的に感染が広がるのではないかと恐れられております。しかしながら、この新型インフルエンザも高病原性鳥インフルエンザも、現在日本には発生しておりません。

今年も渡り鳥が来る季節になりました。高病原性鳥インフルエンザ問題については、昨年度もお示しいたしましたように、少しの注意を持って適正な飼育をしていれば、各学校での動物飼育も安心できるものと思います。くれぐれも子供たちの友であり兄弟のように可愛がっている鳥たちを、風聞に惑わされ不用意に子供たちから遠ざけることは避けていただきたいと思います。 

◎高病原性鳥インフルエンザ対策

現在、学校で飼育されている鶏等は、高病原性鳥インフルエンザに罹っている可能性はありません。よって、現在、それらの世話をすることにより、人に高病原性鳥インフルエンザがうつるとは考えられません。高病原性鳥インフルエンザの感染源は、渡り鳥等の野鳥と考えられており、学校の飼育動物が閉鎖された環境にあり、野鳥(糞等の排泄物を含む)と接触する機会がなければ、高病原性鳥インフルエンザに感染した野鳥が日本に来る確率、その野鳥が学校の鳥と接触する確率、そこから人に感染する確率等を加味すると、学校の飼育動物から人に高病原性鳥インフルエンザがうつる確率は相当低いものと考えられます。学校関係者、保護者の方々には、以上のような内容をご説明いただくとともに、鳥たちが病気にならないように次のことに注意するよう、教職員や子供たちにご指導ください。 

【平常時の対応】
   1.鳥たちの健康状態の観察を徹底する。(普段かかりつけの獣医師と相談する)
   2.野鳥が飼育舎に侵入するのを防ぐ。(金網の隙間、破損等のチェック)
  3.衛生管理の徹底。
   1日1回は飼育舎内を必ず掃除して、糞が乾燥して舞い上がらないようにする。飼育舎床の汚れがひどく糞が舞い上がるよう  な場合、掃除をするときには、マスク・ゴム手袋・ゴム長靴等を着用することが望ましい。
  4.飼育舎の掃除の後や鳥との接触前後には手洗い、うがいを徹底する。

  5.新しい動物を導入する場合は、必ず事前に獣医師に病気の有無を診断してもらい、健康な動物を選ぶこと。

【日本で高病原性鳥インフルエンザの発生が確認されたときは、以下の項目を追加する】

6.飼育している鳥類は屋根のない庭には出さないなど、野鳥と接触させないようにする。
7.飼育舎の出入りの時、オスバン、ベンザルコニウム液(逆性石鹸)や、ピューラックス(塩素系消毒薬、プールで使うもの)、キッチンハイターなどをバットに入れた消毒槽や、薬剤を霧吹きに入れてスプレーするなどして、靴の裏を消毒する。(この時にはゴム長靴を利用すると良い)
8.プール等に鴨などの水鳥が飛来するような場合は、プール等に水鳥が入らないよう工夫する。 
9.複数の、また連続して異常な鳥(元気がない、死んでいる鳥)を発見した場合は、それらの鳥には触れないこと。直ちに近隣の学校担当の動物病院に相談するか、家畜保健衛生所に連絡する。

【県(都・道・府)内又は近隣県(都・道・府)で発生が確認されたときは、以下の項目を追加する。】

10.日常の飼育は教師と獣医師が相談をして行う。

11.衛生部などや、教育委員会、医師会、獣医師会、その他関係者が、対策委員会を設置し、速やかに対応に当たることが望ましい。

 

<高病原性鳥インフルエンザの主な症状>

  潜伏期間 3〜10日位
  食欲、飲水欲の低下、羽毛逆立ちと沈鬱(元気がなくなる)
  顔面や肉冠(とさか)もしくは脚部の浮腫、出血斑もしくはチアノーゼ(酸素不足で皮膚・粘膜が青黒くなる) 産卵の停
  止
 呼吸器症状、ゼーゼー   下痢、神経症状  突然死  等々症状は多様であり、病気になったときの判断は難し  いた め、早い段階で獣医師に相談する。飼育する鳥がばたばたと続けて具合が悪くなったり、死亡したりしない限り基本  的には心 配ない。

<参考1>
逆性石鹸は、オスバンやベンザルコニウム液など500mlの商品から業務用1Lのパコマやアストップなどがあります。手指の消毒には、100倍から200倍の濃度が推奨されています。また1000倍位で噴霧して使用しても効果があります。

<参考2>
ピューラックスは、小学校のプールの消毒に使用されている為、殆どの小学校が所有しており、手軽な消毒薬です。製品の裏に、使用説明がありますので読んでください。

(注)ピューラックス(次亜塩素酸ナトリウム6%)がない場合、薬局で購入してください。水2Lに対してキャップ1杯(付属のキャップの容量は約6ccあります)を取り混ぜたものを使用してください。

<参考3>
キッチンハイター(次亜塩素酸ナトリウム 濃度不明記述なし)を使用する場合。

水5Lに対してキャップ2杯(付属キャップの容量は約25ccあります)を取り混ぜたものを使用してください。

上記薬品のいずれかで、器具の消毒、長靴の消毒をしてください。

<参考4>

床が土の場合、糞便などの消毒として消石灰を撒くと効果があります。
詳細は、各都道府県の獣医師会及び家畜保健衛生所でお聞きください。

 子供たちや先生には、『高病原性鳥インフルエンザが発生したら大変なことになるではなく、動物と接触する場合は手洗いやうがいをしっかりと行い、動物から人へ、あるいは人から動物へ病気がうつらないように普段から気をつけて生活し、動物を可愛がりましょう』とお話いただければ幸いです。


                                   「日本小動物獣医師会」
                                    http://www/jsava.com/

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