講演会記録(平成15年)



        平成16年3月14日(日)仙台市
       平成16年2月 21日(土)社)岐阜県
       平 成16年2月18日(水) 茨城県
     平成16年2月8日(日)奈良県
       平成16年2月5日(木)川崎市  平間小学校
               平成16年1月27日 (火)栃木県宇都宮市
               平成16年1月16日(金)久 喜市
               平成16年1月14日(水)武蔵野市 日本獣医畜産大学
        平成16年1月11日(日)愛知県
               平成16年1月7日(水)武蔵野市 日本獣医畜産大学
       平成 15年12月25日(木)和歌山市
               平成15年12月19日(金)つくば市
                平成15年12月11日(木) 新潟市
                平成15年12月4日(木)  長崎市
               平 成15年11月27日(木) 福井市
          平成15年  11月26日(水) 福井県鯖江市  
        平成15年11月6 日(木) 小金井市 東京学芸大 学 講義
                平成15年9月18日(木) 八王子市
     平成15年9月9日(火) 江戸川 区立小岩小学校附属幼稚園
          平 成15年8月27日(水) 大 津市
     平 成15年8月26日(火) 静岡市
     平 成15年8月23日(土) 札幌市 日本小動物獣医師会年次大
       平 成15年8月3日 (日) 浜松市
      平 成15年7月31日(木)川 崎市
       平 成15年7月24日(木)東京都町田市玉川学園大学
       平成15年7月23日(水)東京都小金井市東京学芸大学附属小学校 相談
       平成15年7月16日(水)東京都新宿区愛日幼稚園
       平成15年7月14日(月)武蔵野市第4小学校
       平 成15年7月8日(火)神奈川県小田原市
       平成15年7月3日(木)西東京市谷戸小学校
       平 成15年6月30日(月)神奈川県相模原市 麻布大学
       平 成15年6月26日(木)東京都町田市
       平 成15年6月24日(火)さいたま市
       平成15年6月21日(土)西東京市田無小学校
               平成15年6月20日(金)中野区啓明小学校
        平成15年5月28日(水)東京都立川市青葉小学校
       平成15年 5月21日(水)東京都杉並区
       平成15年5月11日 (日)兵庫県西宮
                平成15年4月12日(土)東京都文京区
                平 成15年1月16日(日)滋賀県大津市
            平成15年1月19 日(日) 広島県広島市 

平成16年3月 14日(日)仙台市
 日時:平成16年3月14日(日)午後1時半から午後4時
  場所:仙台シルバーセンター
    Tel 022−215−3191  

 内容; 学校での動物飼育の意義と獣医師の飼育支援 (2時間)
                         中 川 美 穂 子
          お茶の水女子大学子ども発達研究センター客員研究員
     日本小動物獣医師会 学校飼育動物対策委員会副委員長          
質疑応答: 3時半から4時

 主催:日本小動物獣医師会>  共催:社)宮城県獣医師会
 問い合わせ先:あべ動物病院 
         Tel 0225−93−2786

鳥インフルエンザのこともあり、50名近くが集まりました。またふれあい事業をしている保健所関係者も多かったようです。いろいろな団体が、動物を学校に 持ちこんでふれあい教室をおこなっているそうで、そのために獣医師会の飼育教育を支援する体制づくりを理解していない学校が多いとのことでした。しかし、 宮城県獣医師会は、だんだんに教育委員会とのパイプができつつあるとおもいますが、仙台市はこれからのようです。期待したいです。

平成16年2 月21日(土)社)岐阜県
  時間:午後1時から5時
  会場:可児市文化創造センター ala(アーラ)    
  内容:
基調講演:学校教育と動物飼育
      嶋野道弘 文部科学省視学官
講演: 可愛がってこそ、子どもを育てる動物たち
      中川美穂子 獣医師
      お茶の水女子大学子ども発達研究センター客員研究員
     学校現場から学校飼育動物を考える
        小学校教諭
報告:岐阜県における学校飼育動物への取り組みと現状について
     小澤 明広 岐阜県獣医師会学校飼育動物委員長
質議応答

座長 岐阜県獣医師会開業部会部会長 石黒利治       
問合せ先 058-273-1111(岐阜県獣医師会) 

 この県では、毎年嶋野先生のご協力でシンポジウムを行い、確実に学校 を支援する地域を広げています。今 回は 教育委員会のかたがたを招いて講習会を行いましたが、ちょうど時期的に鳥インフルエンザへの対応が話題になりました。


平成16年 2月18日(水) 茨城県
  時間:午後2時から4時半
  場所:茨城県教育研修センター
    常磐線友部駅下車(上野方面)
  対象:教育関係者と獣医師会員
  内容:子どもの道徳性と科学的興味を養う動物飼育のあり方                     
 講師:中川美穂子
主催:茨城県
問合せ先:029-241-6242 (社)茨城県獣医師会

この講演会は、県衛生課が獣医師会の支援で始める「学校獣医師設置モデル事業」が始まるため、その一環として県教育研修センターで行われました。教員 161名、獣医師51名の参加がありました。
 内容としては、特に鶏インフルエンザに関しては冷静に対処するようにという話があり、学校の先生方の不安も少しは解消されたのではないかと思われます。
 講演の模様をNHKが取材に来ており、「茨城県の獣医師の学校支援事業の様子」を関東ローカルで放送するとのことでした。 
 実施者の茨城県庁生活衛生課から、下記のメールをいただいております
 
 昨日はご講演ありがとうございました。受講した教師、獣医師の方々からアンケートも頂戴しましたが、先生のご講演たいへん好評でした。
学校で動物を飼うことの意義や獣医師の関わりなどについて十分にご理解いただくことができ、今後の事業推進に弾みがつくものと考えています。


平成 16年2月8日(日)午後1時から5時
  主催:日本小動物獣医師会 共催:奈良県獣医師会
 会場:奈良商工会議所5F 奈良市登大路町36-2
     近鉄奈良駅より徒歩2分 0742-26-6222
 対象:教育関係者、獣医師会員
  内容:講演
    「これからの学校教育と生命尊重の指導」
        鳩貝太郎 文部科学省国立教育政策研究所             
 教育課程研究センター総括研究官
   「子どもの道徳性と科学的興味を養う動物飼育のあり方」            
 中川 美穂子 獣医師 
     お茶の水女子大学子ども発達研究センター客員研究員
  後援:奈良県 奈良県教育委員会
 問合せ先:0742-27-5653 (社)奈良県獣医師会

今回、教員関係者61名を交えた100名の参加者がありました。
 奈良の家保の方から、もうすでに鶏を処分した小学校、飼育舎を潰してしまった小学校があると伺いました。その方は新聞報道のあり方に物凄く怒っておられ ました。
 また、「ニワトリの命と子どもの命のどっちが大事だ!」と、涙ながらに保護者にビラをまいて登園拒否を呼び掛けた園児の親御さんに対して、三本先生の委 員会や家保、教育委員会の担当者が説得をして、拒否運動が終わったその日に、高次の教育委員会の判断で、園で育てて大事にしていたチャボ達をどこかにつれ て行った話などもありました。園長先生が、獣医師に報告したとき、泣いて言葉にならなかったと聞いています。
 しかし、来年度から、生活衛生課が関わって支援事業が始まるので、良い方向に向かうと思います。質疑応答でも、開業、家畜衛生、衛生課の方々が、集まっ た60名を越える教育関係者にむかって呼び掛けておられたのでよかったなと、思っております。
 その後、県の教育委員会の方からも「参加いただいた先生方の真剣なまなざしと、それに答えてくださる獣医師の方の御指導に心を打たれずにはいられません でした。」というメールを頂きました。
 最初の講習会で教員が60名も参加されたのは珍しいことです。今までの先生方の活動の成果だと、話し合いました。
 なお、このチャボは4月になって、幼稚園に帰ってきたそうです。


平成16年2月5日(木)川崎市
 平間小学校 5時間目
 1年生、生活科授業「ふれあい体験授業」 70名
 協力 川崎市獣医師会 

平成16年1 月27日(火)栃木県宇都宮市
   時間:午後1時から午後4時半
   会場:とちぎ健康の森(とちぎ健康づくりセンター)
   
 シンポジウム「今心の教育に求められているもの」
  内容  講演「こころ・いのちを大切にする学校教育」 
           文部科学省 永田教科調査官
        「かわいがってこそ、子どもを育てる動物たち」
           中川 美穂子
      実践発表 午後3時45分から
         (1)「獣医師との連携を図った体験活動」
               真岡市立西田井小学校 委文学冶先生
         (2)「学校飼育動物に係る体験活動」
               宇都宮市立峰小学校 寺内照子先生
         (3)「学校飼育動物と子供たち」
               栃木県獣医師会 上都賀支部 村井妙先生
  対象:教育関係者、獣医師会員、市民
  主催:社)栃木県獣医師会 
  後援:栃木県教育委員会 
  問合せ先:栃木県獣医師会 028-622-7793

  初めて道徳の永田教科調査官とご一緒しました。永田教科調査官は、電子ゲームが出現してから20年になる。また、確実に子ども達の体をつかっての体験がす くなくなり、また、勉強時間が減少していると、お話になり、勉強する意欲の減退が今の日本のこどもの問題だとおっしゃいました。なお、話の中で、おもいや りの基礎はほぼ8歳までに培われ、人との関わりとともに、動物との関わりが決定的な影響をもたらすと、心理学的に言われていると、話されました。

 また、獣医師さんたちの活動に敬意を表してくださいました。

 それにしても、平成10年に初めて栃木県で講演会が行なわれた時には、教育関係者の参加は、嶋野先生のご紹介のお一人だけだったとのことですが、今回は 170人も教育関係者が参加されたことは、栃木県獣のご努力のたまものだと、思っております。


平 成16年1月16日(金)久喜市  午後3時半から5時
会場:久喜市総合文化会館 広域文化展示室
内容:講演会
   「子どもの道徳性と科学的興味を養う動物飼育のあり方」
                                                    中川美穂子
    お茶の水女子大学子ども発達研究センター客員研究員
    日本小動物獣医師会学校飼育動物対策委員会副委員長
久喜市教育委員会主催
対象:教育委員 獣医師 学校関係者 飼育ボランティア

久喜市は、平成15年度から市と獣医師会の動物飼育支援のための連携事業ができました。
  講演は今回で2回目ですが、教育委員会主催に市獣が応援する形でおこなわれました。


平成16年1月14日(水)武蔵野市 日本獣医畜産大学
            朝9時半から1時間
           伴侶動物学 講義:動物介在教育を支援する学校獣医師

 愛知県
平成16年1月11日(日)     獣医師向け
      「学校への獣医師の関わり」 中川美穂子
     「岐阜県での学校の動物飼育支援事業(仮題)」
         小澤 明広先生
          社)岐阜県獣医師会
  主催:日本小動物獣医師会 共催:愛知県獣医師会
 問合せ先:052-961-3435 社)愛知県獣医師会 
参加者は獣医師62名(愛護センター3名、保健所2名、家保1名、開業56名)

また、三重県獣医師会からも事務局理事の方や開業の方々が参加なさいました、、
その際、三重県獣医師会が昨年行った学校の飼育に関する調査結果を持ってきて下さ
いました、それには、あちこちの学校が獣医師の個人的な支援をうけて、感謝してい
ることがあらわれていました。

当日の講師は、私と岐阜県獣医師会の小澤明広先生。また日小獣の矢部真人学校飼
育動物対策委員長(栃木県獣医師会副会長)がきてご挨拶をしてくださいました。

愛知県獣医師会の担当の方からメールをいただきましたので、ご了解を得て、お知
らせ致します
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中川先生

愛知県獣としては初めての学校飼育動物に関する講演会でしたので、私たちもど
れだけの先生が受講してくださるか、不安で一杯でした。
 しかし、私たちの予想を遙かに上回る数の先生方においで頂き、驚くとともに、
学校 飼育動物に対しての関心の高さに、認識を新たに致しました。

  役員の中には、学校飼育動物委員会、必要なしとの意見も聞かれる中、今回の講
演会で、何はともあれ、確実にはじめの一歩を踏み出すことができました。
  これも中川先生、はじめ小澤先生、矢部先生のお力添えあってのことと感謝して
おります。

 これから愛知県も、少しずつでも前に進めるように努力していきます


  平成16年1月7日(水)武蔵野市
  日本獣医畜産大学        朝9時半から1時間
     伴侶動物学 講義 飼育の教育的意義と課題


和歌山市
  平成15年12月25日(木)
   時間 :午後1時から5時(受付開始12時)
   場所:ホテルグランビア和歌山 6階 渚A
                和歌山市友田町5−16 073-425-7711
                              JR和歌山駅(構内)近鉄百貨店内
   内容:
    1 午後1時10分から1時50分
       事例発表 和歌山市立有功東小学校の取り組み
    2 午後2時から4時
       講演「「心の教育に役立つ動物飼育のあり方」
          中川美穂子
    3 フォーラム 午後4時から5時
最初に県畜産課の鈴木源一畜産課長が事業の主旨説明と「BSE関連で日本の牛肉の安
全性について」が挨拶としてありました。(「ちょっと関係ありませんが、アメリカで
BSEが発生したが、日本の牛肉は全頭検査しているので、安心して食べてください」)

1. 事例発表
@『有功東小学校の取り組みについて』 片桐 清司(和歌山市立有功東小学校校長)
 校長先生のモットーは「子ども一人一人に居場所をつくる」「ヤギを好きな子が必ず
しも犬を好きとは限らない。学校では意図を持って生活環境に動物を置いておく」との
ことで、以前から地域の支援を得て、ウサギなどの小動物のほかに、ヤギの飼育、鯛の
飼育、ポニーの飼育、犬の飼育までやっておられ、それぞれに子どもたちのグループが
かかわっていることを発表なさいました。ビデオでは校庭を駆け回ってボールを拾って
くる犬の様子を紹介なさった。「しかし、動物の好きな学校と評判がたち、捨て犬、
猫、鶏を持ち込まれてるのですよ、」とお話になりました。

@『総合学習の一環としての動物愛護教室について』 手塚澄枝(和歌山県動物愛護セ
ンター医療技師)
 愛護センターの方は、6年生に総合学習の時間で犬を素材に、命を感じる、動物を飼
う、人とのかかわり、感染症などを11回にわたって授業したことを報告なさいまし
た。子ども達への影響の事例として、子どもが家庭で動物の話をする機会が増えたこ
と、ある犬を欲しがっていた子が「犬は飼いたいけど今は飼わない。責任が果たせるよ
うになったら飼う」と親に言ったことを挙げられました。

 (これについて、「子どもを育てるのには犬はとてもよい影響がある。子どもに犬の
いる環境を与えるように、面倒を引き受けてあげるように親を説得して欲しい。子ども
も犬も大人がしつけるものであり、親は子供を育てるためにいるのだから」とお願いし
ました。)

2. 講演
 中川は、有功東小学校の事例はとても素敵で、岡山にも自然に犬や猫など動物を受け
入れている小学校があり、そこの卒業生には難しい理科系の大学にパスするほど優秀な
方が多い。しかし、多くの学校ではそのような情熱がない場合が多いので、「どこで
も、誰でもできるような必要最小限の飼育を丁寧に行う」話を紹介しました。

3.総合討論  司会/ 玉井公宏和歌山県獣医師会会長
        和歌山県教育委員会 学校教育局 健康体育課健康教育班 
              棚田修司指導主事 
        和歌山県獣医師会 藪添賢二副会長(臨床部)開業部会長     
        和歌山市立有功東小学校 片桐清司校長 
        和歌山県農林水産部 農業生産局畜産課 上杉秀樹衛生班長 
        和歌山県動物愛護センター 手塚澄枝医療技師 
        中川美穂子

 司会の玉井先生が、みな様が忌憚なく意見が言えるように、とビールに見立てた氷入
りお水を各人に配り「酒の席の話」と、意見交換を促したせいか、本音が相次ぎまし
た。

●(他地域の獣医師)「学校から避妊を頼まれたが、子どもたちの為にいい加減なこと
はできないので、3万円といったら、それ以来何も言ってこなくなった。」
 (学校)「やはり3万円はとても無理なので、学校は二度と獣医師のところに行かな
いだろう」
 (中川)「先生や獣医師が心配するのではなく、同じ立場に立って、「学校からその
ような要望があり、獣医師も応じたいと思うが、そう対応しきれないのでどうしたらよ
いでしょうか?」と教育委員会に相談をしてみたらいかがか。しかし、大体のところ
は、獣医師が負担してやっていますけど、話し合うことは大事でしょう」
 (教育委員会)「宿題をいただいた。要望があれば考えざるを得ないだろう」

●(獣医師会)「7年前に感染症など飼育動物の調査をしたが、学校からの回収率が悪
く、動物病院の支援を必要としていないようだった。しかし、この数年、県の事業とし
て動物由来感染症監視体制整備事業教育現場型で学校に関わってみると、先生方が困っ
ているのに気がついた。」
「開業会員の協力意志を調査したら、45名中23名が協力すると答えてくれたので、
地区担当者名簿を学校に案内できた」

●(獣医師)「エキゾチックより、医療がいきとどく犬を学校で飼えば良いのではないか」
 (中川)「犬は特定の人と繋がる動物で、飼い主がはっきりせず、夜も無人のところ
においておかれる学校には耐えられない。精神的に不安定になった危険な場面もある。
またしつけも必要。ある先生の犬を、毎日学校につれてくるのが、良いだろう。また、
小さな子どもには「動物からの働きかけが少なく、気持ちを考えてあげなければならな
いエキゾチックのほうが適している」
(校長先生)「そのとおりだと思う。実は、今いる犬は子どもの前では餌をやらない
ようにしている。子どもに歯を剥く。この犬は少数の人以外には、あまり言うこと聞か
ない。放すときは、原則として子供のいないときにしている。ただ、教員室の人間関係
に有効であったので、この犬を飼うことにした。」

●県保健所職員「この学校の動物飼育の話しは、いわゆる動物愛護教育とは、異なると
思った。」

 尚、講演会後、役員の方々、和歌山市の開業会員の方々と話し合う場を持っていただ
きました。

 参加者総数:71名
    〔県獣医師会・役所18、県内開業16、県外獣医師7(大阪府、大阪市)
     教育関係者23(小学校16)、そ獣医学生1、教育学部学生1、動物看護
士2、他3〕



12月19日(金) つくば市
 午後1時から
 会場:農林筑波事務所・農林ホール

 鶏病事例検討会「小規模養鶏の衛生対策」
 講演:「小学校における鶏・鳥類の飼育と獣医師のかかわり」
       中川美穂子  
 主催:独立行政法人農業技術研究機構 動物衛生研究所
 対象:家保職員、食肉衛生検査検査職員、ワクチンメーカー
   養鶏関係者 大学や研究所職員など獣医師 

 担当 埼玉県中央家畜保健衛生所 048-663-3071

新潟市
平成15年12月11日(木)
教職員、獣医師会員、市民対象 ・一般公開

内容:
 1、 学校教育における動物飼育のあり方
     嶋野道弘(文科省 視学官)
 2、子ども達に生命尊重と共感を育てる動物飼育のすすめ方
     中川美穂子
      (日本小動物獣医師会 学校飼育動物対策委員会副委員長)
 3、生活科における飼育活動
     長沼智弘(新潟大学付属小学校教諭)
 4、新潟県獣医師会における学校飼育動物への取り組み
     宮川 保(新潟県獣医師会 学校飼育動物対策委員会委員長)
 5、総合討論・質疑応答
新潟市は、平成6年から飼育支援の連携事業があります。
 2年前に新潟市で獣医師向けにお話していますが、このほど嶋野視学官と新潟大学附属小学校の教諭と一緒に教育関係者にも向けて「動物飼育のシンポジウ ム」でお話してきました。
前もって飼育支援活動とシンポジウム」について新聞に報道されたり、教育委員会や小学校、教育大学を回って案内をしたご努力が実って、当初の申し込みを上 回る178名(学校関係者68名、獣医師関係者56名、一般54名)の参加者がありました。

 なお、教育関係者の中には、宮川保獣医師(県獣担当理事、日小獣学校飼育動物対策委員会委員、日本学術会議「飼育に関する勉強会」委員)が講義なさって おられる上越教委大学と、事前に訪問して案内なさった上越教育大学の先生方や学生さんがおられました。

内容  
1、「学校教育における動物飼育のあり方」 嶋野道弘(文科省視学官)
 学校で飼育に対する、理科、総合、生活科、道徳、特別活動などのへの位置づけを、説明された。
(嶋野視学官のお話)
 「動物飼育は教育環境の一環」という伝統的な考えは「不易」であり、これからも変わらないだろう。しかし時代とともに望ましい方向にする必要がある。
 昔は動物と共生していた。トリが二本足などの話は、考える間もなく分かっていたこと。今は、考えてしまうことが問題である。

 現在は環境がかわり、子供達は体験不足のために、自然環境から離れ、直接向き合うことが少なくなっている。知識と実際の知恵とが遊離している。また将来 の人格や生活を形作る原体験が不足している。そればかりか、動物にふれないまま、ロボットが臭くなく、手がよごれないし、死なないからよい、などと考える ことは、肝心な部分を落としてしまう。知識と行動が解離してしまい、生命の意識からが薄くなる。改めて飼育の必要性を考える必要がある。飼育を通じて主観 的な捉え方(可愛いいから〜せずにはいられない。僕が餌をやったから食べる。うれしい)と同時に、客観的な捉え方(科学的な見方・お腹がすいていたから食 べる)などが実感できるように、動物子ども、また子ども同士などとの関わりを深くさせ、身体の振る舞いを大事にしたい。

 発達段階から言えば、生活科の時期(小学校1、2年生)の柔軟でかっ達な時期に触れあわせるのが望まれる。生活科の指導要領には「動物を飼ったり植物を 育てたりして」と書かれているが、本物と間接とは異なるのだから、「飼ったことにして」とは書いてない。
 また理科や道徳、特別活動(飼育委員会活動)にも関係している。

 小学校教育における動物は、
*生命に関する知識理解を学び親しみを持ち、生命に対する畏敬の念をもつ教材である。
*共に育ちあうよき仲間でもある。

 学習指導要領には、飼育数や飼育種などは、一律には規定してないが、現況、実態により(無理せず、責任をもって、長くつきあう)ことができるように、考 えたい。
課題をどう解決するかが重要である。

 そのために、まず学校長が飼育する意義や目的、飼育に関する考え方を打ち出す必要がある。そしてあやふやにならないように、毎年度初めに、学年や飼育目 的を確認し、学校全体で最低限「飼う」ことを、工夫していくこと。とくに衛生管理や健康管理、環境の維持管理は必要なことで、地域獣医師会との連携を学習 指導要領解説書生活科編に解説してある。

現在の獣医師会の支援は良い方向にある。

 また、休日の世話について、地域全体の支援システムつくりを期待したい。「動物が飼える社会づくり」をめざして、地域の意識を高めていくことが望まれ る。
なお、教師が飼育経験を持たないまま担当になるのは心もとないため、地域の獣医師との連携、教員の研修が求められる。

2、「子ども達に生命尊重と共感を育てる動物飼育のすすめ方」 中川美穂子 
 子供の成長には動物体験は欠くべからざるものである。子供の生活環境に動物との
良い関わりを用意するために、親や地域や学校などで体制として学校の飼育を支援す
るべき。と、動物が子どもの成長に良い影響を表わした事例を提示。

3、 生活科における飼育活動 長沼 智弘(新潟大学附属小学校教諭)
「生活科のなかで、モルモットの飼育を行って、学校教育に定着させた実践について」

 新潟市の紫竹山小学校では、8年前から宮川保獣医師など新潟市獣医師会の支援により、生活科でモルモットの飼育を行っている。1年生の二学期から世話を 担当し、2年生の二学期に1年生に渡すサイクルである。
 その中で、子供達の気付きや成長が見られて教育的意義を認められている。
この飼育システムはこの学校の生活科の一環として定着している。

 なお、モルモット達は昼間は教室外のオープンスペースで飼われているため、これに関わった上級生もすべていつでも接することができる。それで、モルモッ トが死んだときは、悲しみを全校で共有することが出来る。

4、 新潟県獣医師会における学校飼育動物への取り組み
      宮川保(新潟県獣医師会 学校飼育動物対策委員会委員長)
 新潟市では、市獣と教育委員会と連携して10年になり、その診療などの統計が報告
書として統計が取られている。
このほど、県全体の小学校にたいしてアンケート調査を行ったが、新潟市88校で1
21件の診療依頼があったので、県全体では863件あっても不思議ではないが、実
際は128件である、など、連携10年の新潟市の結果と比較して検討した。
 なお、この10年間の診療の統計から、1校あたりの年間の診療費は2万円弱になる。
( 嶋野視学官は、これについて「みな安心します」と感想を述べられた。)

5、  総合討論・質疑応答  質問が相次ぎ、20分ほどの予定がオーバーした、
質問(動物愛護の教員)「触れ合い授業のとき、10分の話とふれあい体験20分というが、10分で何が教えられるか」
答え(中川) 「実感を重視している。話内容は教師の希望に添い、それぞれの主題
について10分間で一つだけ伝える。一、二年生の子供は10分以上集中が難しい」
 (視学官)「継続する教育の中で行うのだから、10分で目的は充分に達成できる」
質問(教頭先生)「飼育が良いのはわかったが、休日はどうするのだ。地域の人が預
かってくれるのか」
(中川)「子供のために大人が(困難にたち向かう姿)を見せるのが大事。工夫事例
が「学校飼育動物と生命尊重の指導」の本に掲載されている。ぜひ読んで参考にして
欲しい」
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(宮川保先生より)   新潟でも、その後の反応が少しずつ出始めています。 やってよかったと、本当に思っています。   公開シンポジュウムが開催されたことが、新聞に載りました。
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新潟日報 (2003年12月16日付)より
学校飼育動物の課題探る「まず目的を明確に」新潟でシンポ
 学校での動物飼育の現状や課題について考える「学校飼育動物公開シンポジウム」(県獣医師会主催)がこのほど、新潟市で開かれた。学校関係者、獣医師ら 約百八十人が参加。学校、獣医師、地域などが連携した子どものための動物飼育の在り方を探った。

 学習指導要領では、動物飼育が生き物に関する理解や知識を深め、生命を尊重する心をはぐくむとしている。同会によると、県内でウサギ、ニワトリなど動物 を飼育している小学校は約九割。しかし、飼育目的があいまいだったり、知識不足により不適切な環境で飼育していたりと問題が少なくないという。

 シンポでは、文部科学省初等中等教育局の嶋野道弘視学官が「子どもたちの自然体験が不足している。今日的視点で動物飼育を考え直してほしい」と問題提 起。「動物飼育は教育的効果が大きいが課題も大きい。校長が飼育目的を明確にし、年度初めに確認するのが大切」などと呼び掛けた。

 日本小動物獣医師会の中川美穂子獣医師(東京都)は、動物と触れ合う子どもや不衛生な飼育小屋の様子などをスライドで紹介。「比較的世話の簡単な動物を 最期まで丁寧に飼うことは生命観や愛情、共感など人間の土台をつくる」と語った。
 このほか、新潟大教育人間科学部付属新潟小の長沼智之教諭は、前任校の紫竹山小(新潟市)の一年生活科で取り組んだモルモット飼育の実践例を報告。宮川 保獣医師(同市)は、県獣医師会新潟支部が同市内の小学校で行っている健康診断や飼育指導などについて説明した。

 参加者からは「長期休業中、特に年末年始の動物の世話に苦慮している」「総合的な学習で動物を取り上げるにはどうしたらいいか」といった質問、意見が出 された。
                                     以上



長崎市
平成15年12月4日(木)  
  時間:午後3時〜5時
  会場:長崎市立諏訪小学校  長崎市諏訪町7−13
     電話 095(822)2870  長崎駅からタクシーで10分
    
  内容:生活科研究部会の研修会
   「子どもの道徳性と科学的興味を養う動物飼育のあり方」 中川 美穂子
       日本小動物獣医師会学校飼育動物対策委員会 副委員長
        お茶の水女子大学 子ども発達研究センター客員研究員
  主催:社)長崎県獣医師会  後援:長崎市教育委員会
 
参加者は 67名(教員51名、獣医師16名)でした
 長崎県獣は2年前に学校飼育動物の講習会を開いてくださり、その後佐世保市で生活衛生課のご努力で教育委員会と連携ができて獣医師が学校支援活動しています。

長崎市教育委員会のご配慮で「長崎市生活科研究部会」の研修会として開催されました。生活科部会長さんは「飼育に関する研修を、部会の先生方から要求されていた」とのことで、タイムリーな企画と喜んでくださいました。

 先生方の研究会ですから、リラックスなさっておられたのか事後の質問が活発にでて、とても良い会になったと思います。そのなかで、「自分は今まで飼育に関心がなかったが、今日は重要な課題である事が分かった。研修会を開いてくれたことを感謝する」と、わざわざ発言なさって下さった先生もありました。
 また最後に、部会長の校長先生が、昔、ご自分が飼育担当だった体験を話され「動物たちにかわいそうなことをしたし、とても大変だった。当時このような話を聞いていたら、あんなに苦労しなくても良かったと思う」と獣医師会に感謝の言葉を述べられました。

 なお、会場で文科省のマニュアル「学校における望ましい動物飼育のあり方」を参加者に配布していましたが、事前の話し合いでこの本が、すでに学校の中で行方不明になっているとわかり、県獣医師会が手配したとのことでした。

獣医師会長は最初に、「子ども達をとりまく状況を踏まえて、命の実感や思いやり、責任感、科学的な視点などを与えるために、地域の一員として獣医師会も支援したい」と、ご挨拶なさり、最後には「動物とのかかわりをきっかけにして、先生と子ども、親と子、学校と親との関わり、地域と学校など、豊かなかかわりを持って欲しい」と述べられました。

 長崎県獣医師会は、このような活動の他、長崎空港の誘導灯に糞をして飛行機の発着に障害をおこすタヌキ集団に対する処置など、地域に積極的に関わっておられます。
 長崎県獣医師会の社会活動が、これからもますます広がるだろうと期待しております。


福井県鯖江市
平成15年 11月26日(水) 
 時間:午後2時30分から5時30分まで
 内容:テーマ「学校で動物を飼育する意義」  中川美穂子
  対象:小学校・幼稚園・保育園教育関係者およびPTA  獣医師会員、一般
 主催:社)福井県獣医師会・鯖江市教育委員会

 福井市
平成15年11月27日(木)
 時間:午後2時から5時30分まで 
 内容:
    「生命尊重と学校教育」
      鳩貝太郎 先生(国立教育政策研究所 総括研究官)
    「飼育動物が子どもに与える深い影響」     中川美穂子
  対象:小学校・幼稚園・保育園教育関係者およびPTA、 獣医師会員、一般
 主催:社)福井県獣医師会
 後援:福井県教育委員会、福井市教育委員会、
     NHK福井放送局、福井新聞社、福井テレビ、
           FBC福井放送、FM福井 

 鯖江市は今秋から獣医師会 と市教育委員会との連携契約ができました。しかし市内の小学校は2校にチャボがいるだけで、他は飼育をしていないようです。教育委員会の目的は、獣医師の 支援で飼育を盛んにして、心の教育に役立てようとのことです。それで今回の研修会となりました。

 鯖江市は、教育委員会が各 小学校にそれぞれ3名の出席を通達し、全校から参加がありました。教育委員会から、田中監事が教育長代理として挨拶をしてくださり、また講演後、この会は 必ず良い結果を産むと話してくださいました。出席人数は下記のとおりです。

 

 参加者合計 56名 内訳 
         小学校    :24名
       中学校    :5名
       幼稚園・保育園:12名
       鯖江市職員  :9名
       獣医師会    :4名
       一般      :2名

  福井市での講演会は、鳩貝太郎文科省国立教育政策研究所総括研究官と一緒に講演致しま した。
 福井市ではまだ連携ができておりません。そのため教育委員会から参加された方は鳩貝先生がお声をかけたお一人だけでしたが、それでも教員の方々がお見え になり、まずまずと思っております。つい先週までは教員からの申し込みがなく、福井県獣医師会の大橋事務局長は胃が痛くなり寝られなかったとうかがってお ります。

 参加された鳩貝先生のお仲 間・福井県の教育センターの方は以下の感想を、公開しても良いとお許し下さいました。
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 「今日のお話しを伺って、 保護者と学校と獣医師会のネットワーク作りの大切さを強く感じました。

 ビデオの後半で紹介されて いた筑波大学附属小学校の森田先生の実践事例では、教室内で動物を飼育するという活動が、学級経営を成功させる上で大変重要な役割を果たしているというこ とを示していたようにも思いました。保護者と一緒に活動に取り組んだり、子どもたち同士の関係を活発に行わせたり、他人の思いを察したりというような、他 の活動では困難だと思われることを、動物を教室で飼育するという活動は、見事に成功させていたと思うのです。

 動物を飼育するという活動 の意義は、大変広範に広がっていくものだなあと改めて感じています。問題は、そのように意義ある活動へと導く指導者の育成ですね。

 キーパーソンは、やはり、 子どもたちを直接指導される「担任の先生」と学校管理者である「校長先生」でしょうか。そして、サポートする獣医師会、教育委員会(行政)、保護者との ネットワークを作り上げることができるかどうかが、キーポイントかな、と感じました。

 ただ、中川先生や鳩貝先生のお話にもありましたが、行政のサポートが得られず、獣医師さ んたちや先生方、保護者の皆さんの善意に支えられているのが、現状なのですね。

 こちらでも、大門先生たち のご協力を得ながら研修など今後の活動を考えたいと思います。

                 西 彦 福井 県教育研究所 科学教育課(生物)」

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また、石川県教育センターの方は、「石 川県の対応について」質問なさいま したので、内灘町と金沢市の連携について、お知らせしました。エー、あるのですか?との反応でした。熱心に質問なさり、参考書を注文なさっておられまし た。HPを 見て参加なさったようです。

 石川県獣医師会のいっそう のご努力を期待しております。

 尚、参加人数は下記のとお りです。      

 参加者合計 90名
 内訳    小学校教員 :23名
       
幼稚園教員 :33名
       教育センター:3名(福井1・石川県2)
       
獣医師   :22 名
       県保健所職員:3名
      
一般    :6名(cボランティア4)


 東京都 小金井市

平成15年11月6日(木)
時間:午後2時半〜4時
場所:東京学芸大学(中央線武蔵小金井駅) 
内容:理科教育学科 学術講演
「小学校における飼育教育のすすめ方」
    共感と生命尊重の心を培い、科学的な見方を養うために
          中川 美穂子 
    日本小動物獣医師会 学校飼育動物対策委員会
    お茶の水女子大学 子ども発達センター客員研究員

対象:対象学生:初等・中等教員養成課程理科選修生 約50名
      ・及び希望者(非理科選修生)

学生があつまるように理科の授業を2クラスをこれに参加させたようです。
ほかに学外からも多少参加がありました。

授業前に 小学校から借りて連れて行ったチャボの夫婦を学生さんに抱いてもらいました。
さすが理科教育の学生さんですから、(中にはどうしても抱かない方もおられましたが)大体の方が抱いて楽しんでおられました。講義中は後援机の下でおとなしくしていましたが、講演が終わったとたんに、また学生さんが抱いておられました。授業にぎりぎりにこられた方が抱きたかったようです。
 飼育の意義と課題について、今まで考えたこともなかったが、子供の成長にとって大事なことだと、皆様がわかってくださったようです。

 呼んでくださった方は、学術会議のシンポジウムに参加されていた教授ですが、「特色ある授業ができた。充実していた」と喜んでくださいました。

八王子市    

平成15年9月18日(木) 
時間:午後2時30分から4時30分 
場所:八王子市 教育研修センター 
内容:飼育の意義とゆとりある飼育 (仮) 
       中川美穂子 

問い合わせ先:0426-20-7405 
   八王子市教育委員会(小林・指導課) 
協力:八王子獣医師会

 獣医師会の方々と教員の方々が聞いてくださいました、
この地域は以前から動物の診療にかんする獣医師会と行政との連携ができています。
 しかし、教諭の方々にとって、なぜ飼育するかの意義をお伝えするのが良いだろうとの
教育委員会のお考えで 講演を頼まれました。
 先生がたは、動物の病気の話ではない講演を初めて聞いたとおっしゃり、飼育への考えが変わったと おっしゃった若い先生もおられたとのことです。
 教育委員会は、これからもっと獣医師さんを頼りにしたいと、話しておられました。
 八王子獣医師会の方も、受ける用意があるとのことです。
 期待したいです。

平成 15年9月9日(火) 10時から
 区立小岩小学校附属幼稚園

 PTAの行事としての講演会でした。時間が10時からだったため診療がある地域の獣医師は参加不可能でしたが、それでも東京都獣医師会江戸川支部から支 部長さん方が参加してくださいました。

 いつも思うことですが、動物好きな方にしか、お話できないので残念ではあります。つまり題名を聞いて、関心のある方がこられるわけです。関心のない方に こそ、聞いていただきたいのですが、難しいです。
 

平成15年8月27日(水)(大津市)

主催:大津市獣医師会 滋賀県獣医師会
会場:大津市生涯学習センター 4階視聴覚教室
共催:大津市教育委員会 

講師;「学校教育における動物飼育」宮川八岐 文部科学省視学官

   「ゆとりある飼育と教育的意義」中川美穂子 獣医師
    お茶ノ水女子大学子ども発達研究センター客員研究官
対象:幼・小・中学校教員、生活科部会員 

滋賀県では、昨年の1月に獣医師向けの勉強会が開かれていますが、今年の1月に一般教員向け勉強会が開かれています。今回で3回目です。

宮川視学官はお忙しいなか、「自分は中川の前座だ」とおっ
しゃってくださり、教員の方々に「中川から声がかかると、日程さえあえばどんなに忙しくても一緒に仕事をすることにしている。」、「中川は文科省のことも子供の事情もよく知っているので、質問は中川にするように。」と言ってくださいました。
 おかげで、視学官が次の仕事のために退席なさった後、教員の方々は、全身で私の話を聞いてくださり、県獣の担当の須藤正之先生は「やはり文科省の方が来てくださると反応が違う。」と喜んでおられました。
参加者は、80人を超えており 獣医師は12人程度と聞いております。 

 なお、教員から大津市と獣医師会との連携について、大津の獣医師会はなにをしてくれるかと質問がありましたが、「獣医師会は他の地域と同じような支援を申し出ているが、市行政がなにをするかが、問題だ」と、市獣と一緒に申し上げました。
 教育委員会からは、会場であった生涯教育研修センター所長さんお一人の参加でしたが、「宿題をもらってしまった」と、苦笑いをなさっておられました。
しかし実際には、もっと高位のところからの、働きかけが必要だろうと認識しております。まずは、今回の研修会で教育方の理解を得て、次へのきっかけを作ることができたと思っております。滋賀ではこれで3回目の講習会でしたが、確かな手ごたえを感じました。

後日参加なさった49名の園・学校の教員の方のアンケート回答を送っていただき
反省材料とさせていただきました。
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なお 
 本来飼育は家庭教育の分野でしたが、子ども達の周りから動物がいなくなり、家庭もお母さん達が自己実現に忙しくなってから、子ども達の体験そのものが少なくなった事情、しかも家庭に、「動物を飼いなさい」「必要な体験を与えなさい」とは誰も命令できないことなどを踏まえて、宮川視学官は教員の方々にお話になりましたが、その一部をご了解を得てお知らせいたします。       
                 
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宮川視学官のお話 抜粋
・ 子供たちの教育は人格形成を目指すものでなければならない。
(ゆたかな人間性や社会性を培う)
・委員会活動や学校行事は、子供たちの人格形成に非常に有効であるから、おろそかにしてはならない

子ども達には知識と計算などの技術を教え込む、覚えさせるだけでは、不足である。その子ども達の体験不足を補うため 小学校教育の中で、平成元年版学習指導要領では、低学年で理科社会を一緒にした生活科を、また平成10年版学習指導要領では3年以上には、子ども達が自分で物事を考えるために総合的な時間を創設し、平成14年には全ての学校で全面的に実施することになった。

 体験の伴わない知識は知恵、つまり生きる力がつくとはなりえない。つまり、体験不足の頭でっかちの子ども達、青年が育つのを何とかしたいと、日本の本来の教育の良さ(人格教育を基礎として、技術や知識を与えて人間を育てる)を引き継いで、今の教科、道徳、特別活動に加えて総合的な学習の時間が組まれた。
なおこの人格教育の評価は要録(通信簿に記入)に「行動の記録」に書かれているが、昨年度から「生命尊重・自然を愛護」が追加されている。 

学校は公的な人格形成機関であり、本物に触れる教育を施し、教科書では学べない「感性を養う」ことに力を注がなければならない。つまり学校教育全体で体験活動を尊重すべきだ。各学校で工夫してじっくり行って欲しい。

その中で飼育活動も、人の土台をつくる重要な役割りを担っている。関わるカリキュラムは、理科、生活、総合、そして道徳や特別活動(委員会活動)にわたる。
しかし、飼育について不得意な先生方も多いのだから、今、「開かれた学校」を文部科学省は提唱しているので、ぜひ地域の専門家の助けを得て、良い飼育をするように努力して欲しい。

平成15年8 月26日(火) 静岡市 (日本小動物獣医師会は関わっていません)
  会場:静岡市民文化会館 
 主催:静岡市獣医師会 後援:静岡市教育委員会、
静岡県獣医師会、

 内容:静岡がっこう獣医隊の誕生まで  代表・山田  有仁獣医師

     学校飼育動物の生 態と飼育法  静岡市動物愛護センター所長 三宅 隆先生
    学校飼育動物と公衆衛生 静岡県志太榛原健康福祉センター 長岡宏美先生
    獣医師と連携して飼育改善 小学校の現場から  静岡市立田町小学校教頭
                                            青木 克顕先生

  この講習会は、私は関わっておりませんでしたが、教員向けの講習会で先生がたからの質 問にお答えするときにお手伝いするとのことで、お伺いしました。

 最初に静岡県と市の学 校飼育対策委員会の山田有仁委員長が「なぜ獣医師会がかかわったか」という話の中で(親としてみていられなかった)などお話になりました。

獣医師という職業の親の立場がよくわかり、先生がたに理解していただいたと思います。 

 次に、動物愛護セン ター長からウサギの飼い方を「個別飼い」ということを基本に話されましたが、同じことを子供に望むのは無理があるだろうと思いました。それぞれの個室を掃 除してきれいに維持するのは労力と時間をとりすぎると思います。

3番目に、保健所のかたが人獣共 通感染症の話をなさいました。この方は、Q熱の研究におい て、大きな功績を残されていておられます。ただ学者さんですからサルモネラ、オウムQ熱、レプトスピラなどの研究をし、治療すればなおると話されました が、学校では感染することが問題なので、どうしたらかからないですむかを中心にお話になれば良いなと、思って伺っていました。それはそんなに難しくありま せん。

最後に山田獣医師のお世 話で飼育舎の改築して、楽しい飼育を実現なさった校長先生が、改善した事例と子ども達の反応などをお話になりました。

 その後、山田先生のお 考えで、私に10分ほどお時間をくださいました。
私は、意義の点で、「家庭飼育と子供」の中から「友達がいじめられていたらどう思うか」のグラフと森田先生のクラスの子が描いたモルモットの絵の変化を見 てもらい、その後病気について、「日本では年間に亡くなる人が5人もいない。」と、気をつけることをしっかり抑えれば、怖がることはないと、お話しまし た。

皆様の質問には、砂場の回虫など病気についてでましたので、藤田一郎先生が病理学的考察 を交えて「バケツ三杯分の砂を食べないと感染しない。」といった話、レプトスピラの感染源はハムスターなどと見られてなく、水田、用水路、自然体験の河川 遊びで発病していることなど、オウム病の懸念を取り除くには、前もって2週間小鳥に薬を飲ませておくことなどを伝えしました。

 教員の方々は、質問が 切れることがなく、良い機会を設けてもらったと、お礼をおっしゃってました。
獣医師会の方も、勇気が湧いたそうです。


平 成15年8月23日(土)(札幌 市)日本小動物獣医師会年次大会
「学校飼育動物市民公開講座」
    生命尊重の教育を支える獣医師の役割 

会場:ロイトン札幌 時間:午後1時から5時半

 「生命尊重の心を育む学校教育」鳩貝太郎先生 
    国立教育政策研究所教育課程研究センター総括研究所

 「かわいがってこそ子どもを育てる動物たち」中川美穂子
  飼育実践例:ビデオ「学校飼育動物と子ども」

 「群馬県の学校獣医師制度と動物介在教育の支援につい て」
    桑原保光先生 群馬県獣医師会学校動物愛護指導委員会委員長 

 「北海道の学校飼育動物対策報告」
    田村誠朗先生 北海道獣医師会副会長
   

主催:日本小動物獣医師会
後援:北海道 札幌市 社)北海道獣医師会 
協力:北海道小動物獣医師会 さっぽろ獣医師会

鳩貝先生が学校教育にお ける飼育について、学習指導要領の記述と意味についてお話になりました。
桑原先生が群馬大学の生活科の講義そのままに講演なさいました。田村先生は北海道での獣医師会の活動についてお話になりました。
桑原先生の話は、一般の方には難しかったかと思いますが、飼う意義、動物の選定、子供への接し方と反応など体形的に話されました。みなが驚くほどの高い内 容でしたが教員を指導する立場の鳩貝先生は大喜びなさり、この会のビデオをもらって全国の教育センターで見せたいとおっしゃっていました。

質問は浜松ほどはでませ んでしたが、教員からアレルギーのことが出ました。
私は最近「みんなで育てよう学校飼育動物」に書いたように、アナフィラキシーについて話をすることにしています。内容は次回にまわしますが、

この講習会の話の後、
各地の獣医師会は医師会と協力する必要性があるだろうと、日小獣の委員会で話し合いました。非常にまれではあるが、出たときはこの獣医師のところに連絡し すぐに対応してもらうとのシステムを作っておくということです。
もっとも医師は「動物を飼うな」といいますので、医師会と話し合い、飼う意義を伝え、「子供を育てるために協力する」との約束を取り付けることが重要で す。

なお、年次大会は地元の獣医師会の諸先生方の非常な努力や鳩貝先生や他の教員方がお声をかけてくださったおかげ で、40席 用意していた会場に110名が入られたとのことです。

日獣の現副会長のご両人 も参加なさっておられました。北海道の田村副会長先生の報告の中に「獣医師は教育の現場にふみこむべきではない」との獣医師の回答が多かったとの話があった が、これはどこの獣医師も共通して思うことです。

しかし、獣医師は「学校 からの要請があってはじめて動ける」ということはありますが、飼育の本当の意義を考えることがあまり見られない教育者側からの要請は、いくら待っても無い というのは本当です。動物に詳しい我々から伝える行動をおこさなければ永久に学校は必要性を認めないでしょう。
それを改善したくて文科省は「開かれた学校」と打ち出し、地域の対応、専門家の助けを求めています。

獣医師の立場から、動物 の子供への影響などを伝えるなど、出来ることを少しずつ活動していくことが望まれています。まず、獣医師向けの研修の機会を設けることが肝心だと思っています。


平成15年8月3日(日)浜松市
  会 場     浜松市地域情報センター
  
講師および演題
          
「学校教育と動物飼育」視学官 嶋野 道弘 先生
   「可 愛がってこそ子供を育てる動物たち中 川 美穂子

    対象受講者 教職員、獣医師(静岡県外も可)、公務員、一般
   主 催            静岡県獣医師会西遠支部 静岡県獣医師会
  支援、協力     浜松市教育委員会       浜北市教育委員会
                      浜松市保健所    日本小動物獣医師会

浜松市では10年以上前からボランティアの 活動が活発で、それを引き継ぐ形で2年前より獣医師会が動き始めています。今回、教育委員会と協力して、初めて講習会を開きました。
 教員を含む方々が、100人近く集まりました。

視学官は普通、県単位か いくつかの学校群の集会の日に話をするという立場で、一つの市に行くわけにはいかないとも伺ってますが、嶋野視学官はこの問題では「日にちさえ合えば、どこにでも行って話をする」言ってくださっています。お話の内容は お会いする度に飼育についてより詳しく理解されているのが解りますが、今回は子供の成長に役立てる飼育の必修のために活動している獣医師と全く同じ気持ち に指導的に話してくださり、感謝しました。

 質問には

・ボランテイアからは管 理が悪く雨で水没して全滅しても、正月逃がしてもまたすぐにウサギを導入して、ボランテイアをことわる小学校の話。
100匹のウサギを引き取って子供をささえているはなし。

教育者からは

 管理者向けのこのよう な研修会を必修とするように視学官に強く要望する研究センターの職員や、新人研修の必要性を説く方がありました

 また動物由来感染症や アレルギーへの対応についても質問がありました

最後に地元の獣医師会の 開業部会長が

今まで12名の委員に任せて自分はあま り大きな問題として捉えてなかったが、今日話を聞いて「目からうろこ」があった、これからは大事にしたいと話し、これだけでも浜松市に伺ったかいがあった と嶋野先生と喜び合いました。嶋野先生は「今日は、レベルの高い会合だった」と喜ばれてお帰りになりました。

後日 嶋野先生は松井委 員長から丁寧なお礼のメールを受け取ったと「うれしいですねー」と教えて下さいました。




平成15年7月31日(木)川崎市

場所:川崎市総合教育センター
共催:川崎市教育委員会、川崎市獣医師会
内容:飼育の意義とゆとりある飼育法「飼育動物の環境づくり」

 川崎市の生活科教育の 講習会には、現教員50名の参加がありました。例年より多いとのことでした。
 講習会後のアンケートでは、今まで考えていなかったが子供の心に対応して飼育を活用することは大事だと気がついた、というものや、反省しながら話を聞い ていたという感想がほとんどでした。

 しかし、今回参加され た先生方は、川崎市の獣医師会員の病院との付き合いのない学校の先生方だったと、地元の獣医師会が知らせてくれました。
 川崎市獣医師会からは、一般の獣医師会員のご参加はなく、残念でした。

 神奈川県の全体の感想 としては、獣医師会や獣医師の方々より、教育方のほうが熱心な印象を受けました。教師は実際に困っているからですが、獣医師側は、学校に対する不信感がぬ ぐえないのかもしれません。まだ、お互いの事情がわかるほど、近づいていないように思いました。


平成15年7月24日(木)町田市玉 川大学
   主 催:玉川大学
       会 場:玉川大学
   内 容 :夏期教育教養講座「環境教育」
       
     
「学校飼育動物の意義と飼育法」
         
講義と実習
  
対 象:教職員
  
協 力:神奈川県獣医師会 東京都獣医師会町田支部
 

 玉川大学での教師向けの夏期講習会は、教育学部の竹内教授のお世話により、3時間の講義 と実習を行いました   参加者:教員40名、愛玩動物飼養管理士1人 獣医師7名。

 当日の実習として、大学のウサギとハムスターと、私の担当の小学校からお借りしたチャボ を1班(8人)に3種、1匹づつ抱く体験をしてもらいました。(動物が疲れるので動物と人の接触は20分ほど)

 地元の獣医師会のご協 力で、それぞれの班に獣医師が一人づつ付いてくださいました。東京都町田市獣医師会からは、西田聡子先生、林律子先生、青木貢一先生、神奈川県相模原市獣 医師会から、大森恒康先生、矢敷光代先生、大和市獣医師会から福沢陽児先生、海老名市獣医師会から土屋喜良先生(皆様、学校飼育動物獣医師連絡協議会の参 加者で、日本小動物獣医師会員です)が、お手伝いくださいました。この先生方や、神奈川県獣医師会の学校飼育動物担当の方々は、その前に行われた麻布大学 での講演にも聞きに来ていただいてます。

 また、町田市では、教 育方の要請により8月に獣医師会員が教員向けの講習をすることになって、その勉強のために私の話を聞きたいとのことでした。町田市の学校飼育動物の委員の 方は、今回3回も講演に参加され、また実習もなさいましたので、大丈夫だと思います。

 玉川大学での受講者 は、飼育を大事に思っておられる教員の方々で、実習は問題なく、動物も先生も平和で良い表情でした。そういう具合だったので、動物好きの方々に私の話は必 要ないかと思い、教授に、将来先生になる学生さんにこそ話をさせてくださるように最後にお願いいたしました。
 後日、教授からは、集まった教師方は、自分達が飼育を大事に思うのは間違いではなかったと知ってやる気と勇気がわいた、との言葉をいただいたと知らせて いただきました。



平成15年7月8日(火)小田原 市
午後2時〜3時半        
 会 場:川東タウンセンター マロニエ
  テーマ:学校における動物飼育管理と実際の飼育活動について
  対象者:教職員
  協 力:小田原市獣医師会
  
 これは、小田原市獣医師会が、市教委から飼育担当教員向けの講習会に講師を派遣することを依頼され、獣医師会が当方に依頼してきたもので、今年で2回目 になります。

 今回、教育委員会の方は、「今まではまったく飼育に予算は要らなかったので、それに予算をつけるとなると、いくらでも高いと思ってしまう」といっておら れました。私は動物は子どもの心を担っているので、健全育成の予算だと思ったらいかがですか、と申し上げました。

 また、この講演会のあと、教員だけで担当者会議を開いて悩みを出し合っていたようですが、獣医師は参加できません。獣医師への信頼が育っていないと思わ れました。まず、獣医師が学校が何を望んでいるかを知り、助けるとの感覚になることが大事だと思われました。
 今年、神奈川県獣医師会は学校飼育動物に関する委員会を設置しましたが、まず、神奈川県獣医師会の組織的な「獣医師への研修」が望まれます。 

平成15年6月30日(月)相 模原市
午後3時〜5時        
  麻布大学獣医学部 特別講義
 会 場:麻布大学
  テーマ:飼育の教育的意義と獣医師の役割

同大学の小方宗次教授の 受け持つ、獣医学部5年生の「動物介在教育」の授業の時間をいただきました。

 講演の前後に意識調査 も行っていただきました。講演には5年生以外にも集まっていただき、また神奈川県獣医師会からも執行部や学校飼育動物担当理事、委員の方々など地元の相模 原市や、他の地域から10人近くの方が参加されました。また。地元東京都獣医師会町田支部からもお二人くらいお見えでした。

  なお、質問の中に、 動物系の専門学校で教えていらっしゃる麻布大学の院生(獣医学部ではない)が、「専門学校で学校飼育動物対策を勉強している人たちが、学校を指導していく などの連携は考えられないか?」というのがありました。
当方は、将来はあるかもしれないが、現時点では、獣医師への報酬も十分でない事情があるので、学校がそのような方を雇うのは不可能ではなかろうか、とお話 しました。

 また、講演後のアン ケートに ある獣医学生が、進学塾で6年生の理科を教えるアルバイトをしているが「成績は良いが、植物も動物も触ったことのな い子が半数を占めるのでこれで良いのかと思っていたが、」と、学校で子どものために適正な飼育を維持するという私の話に 勇気付けられたと述べていまし た。

 なお、学生に「「獣医 師会に入った時の、自分にとってのメリットは何か」などという考えもあるが、獣医師は動物に関する唯一の国家資格であるので、社会に対して、提言し働きか ける義務と責任がある。獣医師として社会に対し何をできるかを考えれば、獣医師会に入らなければ何もできないと、思って欲しい」とお話ししました。


平成15年6月26日(木)町 田市
午後7時半〜10時        
  町田市獣医師会の勉強会
 会 場:忠生市民センター   
  テーマ:獣医師の学校への関わり

町田では市教育委員会か ら、「飼育について指導して欲しい」という申し込みが獣医師会にあり、当面8月に教員向けの講習会の講師を務めるため、まず支部内で勉強することになり、 私がよばれました。

 当日は定期支部会の後 にお時間をいただきました。また教育委員会からも3人出席がありました。

 遅い時間でしたので、 話の途中で何人かがお帰りになりました。また、お渡しした抄録 が厚すぎたのか、委員以外には渡っておらず、残念でした。この支部には都獣医師会の理事もおられますが、まだ、ご自分達の問題とは捉えられていないのではないかと感じました。
 が、委員の方々は熱心で、その後の麻布大学での講演、7月24日の玉川大学での講演にも参加され、また玉川大学での実習に3人の方が協力なさってくださ いました。
 近い将来、支部の獣医師全体で、地域の学校を支えていただけるよう、期待しております。



平成15年6月24日(火)さいたま市
午後3時半〜4時半        
 主 催:さいたま市教育委員会
    共 催:さいたま市開業獣医師連絡協議会
  会 場: 教員研修センター
  対象者:教職員
    テーマ:「動物飼育のすすめ方―飼育の意義とゆとりある実践」
       (生活科・総合、理科、特別活動そして道徳)  
        中川美穂子      
            
 私は、平成13年から大宮での研修会に呼んで頂くようになり、今年で3回目でした。
 学校訪問は15コースに分けられ、教育委員会の車で指導主事さんが同行して行われるそうですが、これは、もしも、交通事故などがあったとき補償が行われ る様にと、役所側の配慮とのことです。
 獣医師は、時間的不自由さを感じることもありますが、学校への対応はやはり教育委員会主体で行なうことが必要だろうとのことでした。しかし、一日に何校 も訪問するため、各小学校に10分しか滞在できず、悪い点を指摘するだけで終わるとしたら、これは改善点だろうとお話ししました。

 講習会の後の夕食を囲みながらの反省会には、担当の指導主事さん(「学校飼育動物と生命尊重の指導」に研修会について原稿を分担なさってくださった方) も、獣医師の方も、「継続に力あり」だと、つくづくと、話あっていらっしゃいました。
 教育委員会の方は、今年は、校長先生の参加がありましたが、この研修会については、新人研修会ですべての教師に聞かせる方法を探りたい、と感想を話して くださいました。          

  平 成15年5月21日 杉並区 
 場所:立教女学院小学校
     杉並区久我山
同校教職員 勉強会
時間:午後4時半から6時
講演:「動物飼育のすすめ方ー飼育の意義とゆとりある飼育法」
     生活科・総合・理科・特別活動・そして道徳
講師: 中川美穂子
  (この回には 日小獣は関わっていません)

 今年から この学校のチャプレン(宗教担当・司祭)が、子ども達への癒しなどを目的としてチヤプレンの 犬を学校に連れてくることになりま した。その目的や活動を学校全体に理解していただくため、私が動物介在教育など「動物の人への影響」をお話しすることになりました。
 もともと犬を飼っていて、理解のあるチヤプレン以外の先生方にすれば、これらの話しは初めてのことで、今まで考えたことも無いことだと、とのご感想をい ただきました。
 しかし、この学校は、チヤプレンの活動に理解をしめし
 喫煙室を犬のために開放し、事前に掃除や準備をしていました。またその準備段階から学校に登校しずらいお子さんがたに手伝ってもらったそうです。
この日が初めての子犬登校日でしたが、そのお子さんたちは犬と親しみ、(犬を休ませる間は 教室で待っていたので)いつもより長く授業に参加できたそうで す。また次ぎの日について、「登校しないなら、犬を家においてくる」とチヤプレンが伝えたら、その子ども達は「学校にくるから犬を連れてきて」と言ったそ うです。

今までも校長室のモルモットに会いにくる登校障害の子の話しがありますが、動物の力は絶大です。
 ただ、困るのは、職員室の隣の部屋で犬がクンクン言うと、先生がたが仕事をそのままにして、犬の様子を見ていってしまうことだと、校長先生のお言葉でし た、 



 平成15年5月11日 (日)12時から5時まで 西宮市
    シンポジウム 『動物をとおして子どもたちにやさしさを』
    開催:日本小動物獣医師会  社)兵庫県獣医師会 西宮獣医師会
    後援:西宮市、西宮市教育委員会、 西宮PTA協議会                   
司会 本好 茂一 先生 (全国家畜畜産物衛生指導協会)
講師森 裕司 先生
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医動物行動学研究室教授)
   演題 「身近な動物たちの行動について学ぼう」
   
   山崎 恵子 先生 (ペット研究会「互」主宰)
   演題 「子供と動物の関係」

  中川 美穂子 先生
  (日本小動物獣医師会学校飼育動物対策委員会副委員長)
  (全国学校飼育動物獣医師連絡協議会主宰)            
  演題  「心を育てる、学校の動物たち
                         ー生活科・総合への飼育の実践例」
      総合討論
対象:教育関係者、市民、獣医師会員 他どなたでも
 
この地域の獣医師会は昨年 学校に対して飼育に関してアンケート調査をして、その結果をみて各学校の希望を伺った上て個人的負担で対応してきました、そし て、今年、このシンポジウムをひらきました。
 しかし、教育委員会の信頼はいただけなかったのか、教育委員会の直接的なご支援はいただけませんでした。しかし、お会いできませんでしたが、お一人だけ は参加してくださったようで、良かったです。
また、日曜日のため、関心のある教員の方が10人だけ参加してくださいました が、皆様、とても良く質問をなさってくださり、嬉しかったです。

 内容は、前半は聴き方によれば、動物福祉の話や動物虐待を告発する話に聞こえましたので、その意味で教 育委員会は敬遠なさったかと思って おります。
私は、最初に、私達が学校に関わってきたのは日本の将来のために子どもたちの心を培うためである、と、お断りをしました。
 また、この問題の活動目的を理解していただくため、日小獣の会長挨拶にもあった国会答弁の内容についてお話ししました、つまりに日小獣の私達は、以前よ り「「飼育の意義を子どもに与えるための提言」を国にしてきたが、この度、国会でそれにしたがって質問され、また答弁されたと報告しました。
 また、この国会答弁にしたがって、この度マニュアルが発行された事を話し、そのマニュアルの第3章・3項の、「獣医師との連携に関して学校・自治体・獣 医師会がなすべきことに関する記述」を読みあげ、これに加えて学術会議の提言事項を少し説明し、そして、以上のことから国の方針は決まったと、お話した後 でいつものように話し出しました。
 なお、獣医師から、最初にどうしたらよいか、と質問がありましたので、最初には獣医師内部の研修会をする必要があるだろうと、お話しました。

 講師3人がそれぞれ1時間半をいただき、その中で質問ということでしたが、私はビデオを映す時間も不足 しました。しかし、皆様が見たいと おっしゃいましたので時間延 長をして頂き、森田学級のだけ映しましたが、それが良かったと、皆様が話して下さいました。その後、2時間ほど懇親会をして頂き、兵庫県獣医師会の方や講 師の先生がた それに明石市の教員の方などとお話しました。

 帰宅後、
兵庫県は神戸市を除いて、西は明石市、東は西宮市が中心となって獣医師会の学校飼育動物活動を推進していこうとしていますが、今回のシンポに刺激されて、 現在西部の方でも実施したいという関係者の声も上がったそうです。これからも指導をお願いしたいとのお礼をいただきました。



 平成15年4月12日(土)10時から17時  文京区    
  
  お茶の水女子大学 こどもの発達研究センター
  現教職員向け月例ワークショプ 
  第1回「園・学校における動物との関わり」
共催:お茶の水女子大学子ども発達研究センター・日本小動物獣医師会

テーマ:「動物飼育を通して心を育てるには!」
 1、 動物飼育のすすめ方―飼育の意義とゆとりある実践
      (生活科・総合、理科、特別活動そして道徳)
 2、 園・学校での環境衛生上への配慮についてー砂場など
講師:中川美穂子(全国学校飼育動物獣医師連絡協議会主宰)
        (日本小動物獣医師会 学校飼育動物対策委員会)   
   森田 和良(筑波大学附属小学校教諭・日本初等理科研究会)
       小原 容子(西東京市立田無小学校教諭)
コメント:無藤 隆 お茶の水女子大学教授

朝10時から夕方5時迄の長い講習会でしたが
 残念ながら教員の参加者は非常に少数でした。が、日本教育新聞社と時事新報の記者が取材していかれました。しかし、全部で35名と、参加者は少なくても この会を企画した無藤隆教授から 「じっくりと話を伺うことが出来て、私を含め、参加者には勉強になったと思います。写真やビデオも説得的でした。」 と 言っていただきました。  
 030425  日本教育新聞記事 「動物飼育で思いやり    お茶の水女子大学セミナー」
獣医師との連携など報告

お茶の水女子大学の子ども発達教育研究センターの月例ワークショップが12日に同大学で開かれ、学校での 動物飼育の教育的な意義や効果的な 活用法、地域の獣医師と連携した取り組みなどが報告された。
 教室でモルモットを飼育した活動を報告したのは、筑波大学附属小学校の森田和良教諭。
「教室で飼育したことで、自分たちのモルモットという意識が高まり、休日は持ち回りで家に持ち帰って世話をすることで、命を預かる責任感が生まれた」と報 告。また、子ども同士のきずなも深まり、学年末には、グループで育てる会を作って、交代しながら自宅で飼うアイデアと行動力も育った。
 4年間育てたモルモットと子どもたちとの触れ合いを報告したのは、東京都西東京市立田無小の小原容子教諭。小原教諭は、地域の獣医師の指導を受けて教室 でモルモットを飼育することで、1年生たちが大きく成長し、かわいがったモルモットの死を通して、命の大切さや弱い者への思いやりを学ぶことができたとい う。また、2年生になって、次の1年生にモルモットの飼育を引き継ぐ会を企画する力が育ったほか、動物への観察力が高まり、長期休業中の飼育協力を通して 保護者同士の連携も深まった。
 学校へのサポート行なった獣医師の中川美穂子さんは「動物の専門家である獣医師が学校をバックアップしていきたい。飼育で困ったら、地域の獣医師と相談 し、子どもの心を育てることに役立てて欲しい」と話した。
                            



 平成15年 2月 16日(日)午後1時30分から4時        
     主催者:滋賀県獣医師会
         会 場:大津プリンスホテル
      対象者:教育関係者・PTA関係者・市民
         内 容:市民公開講座「やさしさを育む学校飼育動物を考える」
           1. 生活科・総合としての動物飼育(動物介在教育の実践)/中川美穂子
           2. 滋賀県獣医師会の学校動物飼育へのサポート報告/須藤正之
 中川が2時間話をさせて頂き、須藤正之先生(滋賀県獣医師会学校飼育動物サポート委 員会委員長)による報告が30分、 その後質疑応答20分でした。
講演会では、後援の滋賀県教育委員会の方と大津市の教育委員会の方がご挨拶され、特に大津市教育委員会の学校教育課課長補佐の方は、最後まで参加してくだ さり、また講演会後の約1時間の懇談会にも参加され、とても有意義な話し合いをなさっておられました。

 その席上、県内のある地域(一人しか開業獣医師(会員)がいない)で、最近行政から「全小学校(4 校)の飼育を見てくれるよう契約し てくれ」と申し込みがあった、と分かりました。その会員は、最近開業なさった方で、滋賀県獣医師会の取り組みについて知識がなく、学校への関わりに興味は あるけど、どのように対応するのか皆目分からず、今講演会で勉強しようと参加したとのことでした。それで県獣の飼育動物担当の先生が、早速その会員と一緒 にその行政に伺って話をしてくるとのことになりました。

 今は、獣医師会も情報がありますので、すぐに対応できるようになり良かったと思っております。それ にしても、地方の教育委員会から、 獣医師に対して突然そのような申し込みがでるほど、獣医師のサポート体制はメジャーになりつつあるのかな、と思えました。

 なお、この懇談会に奈良県から奈良県獣医師会学校飼育動物対策委員会の先生方が参加してくださり、 奈良の事情などを話してくださいま した。お互いに情報を交換し、活動へのエネルギーを蓄えることができました。

 滋賀県獣医師会と、大津市教育委員会の方のお話では、夏の教員研修にこの話を入れる準備をなさる予 定とのことでした。またそのときに お話させて頂けるようです。
講演会参加者は69名(教育関係24名)とのことでした。



   平成15年1月19日(日) 広島市 広島県獣医師会主催       
     会場:広島県獣医畜産会館
      時間:午前10時から午後4時   
    内容:学校への獣医師の関わり
    講師:中川美穂子  
    対象:獣医師会員

 広島県獣医師会とは連絡を取り合い半年くらいですが、開業の獣医師部会の方たちが呼んで頂ください ました。

参加者が多く集まったそうです。中にはすでに学校に関わっていらっしゃる方々が、熱心に質問をなさっ てくださいました。また動物愛護セ ンターの方々も参加され、本など熱心にごらんになっていました。 
今回は5時間を頂き、ゆっくりお話しができました。  

質疑応答には、最初からの活動の立ち上げ方、を中心に初歩的な質問が多くでました。これからの活動を 期待したいです。
出席者は、トータルで44名でした。その内、行政関係が7名、大学関係(広大医学部の実験動物研究室の獣医師)が1名でした。
 
                                                                                                                                                                                                 
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