2005/05/24 15:2 発信

@子どもと動物は同じ・食べさせて安心させる事が必要

「日本のストリートチルドレン」

 沖縄で、学校で給食にはやってくるけど、教室内で大暴れし、運動会や遠足に
は欠席する小学2年生がありました。万引きなど、ありとあらゆる悪いことをし
ていると表現されていたそうです。

 教会から相談を受けたクリスチャンのいる動物病院が、その子を引き受けるこ
とになり、話しを聞くと、この子は父親がなく、母親が夜働くためか、朝食と夕
食を与えられず、寝るときも家にはいれず、駐車してある車で寝るということも
あったとか。
それで給食の時間だけには、学校に行ってたが、夏休みにはやせてしまったそう
です。つまり、学校の給食で命をつないでいた、ということです。また運動会や
遠足のとき、親がお弁当を作らないので、子どもは学校に行けないのだとわかり
ました。

動物病院は温かい食事を用意して「いつでもおいで」と、かわいがりました。ま
た、必要なときはお弁当もつくって持たせたそうです。
動物病院に来た当初、その子は 病院内で手当たりしだいに備品や置いてあるも
のを散らかし、しっちゃかめっちゃかだったと、院長は「私たちの気持ちを試し
ていたんだろう」と笑います。しかし病院内の動物と遊び、獣医師やお姉さんス
タッフの皆に優しくしてもらい、しかられているうちに、落ち着いてきたそうで
す。(失礼な言い方ですが、動物病院はしっちゃかめっちゃかの「動物」には慣
れています)

あるとき、この子が自転車で転び、意識も朦朧として額から血がたくさん出たこ
とがあり、動物病院は救急車を呼びつきそったのですが、親と連絡を取ったとこ
ろ、健康保険に入っていなかったので、診療代も立て替えたそうです。
 当初は連絡がつかなかったこの母親も、徐々に話あうことができるようになっ
たそうです。この人は学校の行事には(非難を受けるから)と、一切参加しな
かったそうです。

 動物病院はこの母親にも動物をかわいがることを体験(いたいけな、たよりな
い小さな動物を抱かせて、かわいいという気持ちを感じさせ、庇い育てる気持ち
を沸かせる)させたりもしました。また、いろいろ相談に乗りました。
そのうちに母親はだんだん変わってこられ(子どもさんも変わってきましたか
ら)、保護者会にも参加するようになったそうです。
 動物病院の方たちは、「親を非難するのは簡単だけど、それでは何も始まらな
い」と、働きかけたそうです。健康保険も書類を用意してあげて、入れるように
しました。獣医師たちは「この母親は、愛し方を知らなかったのだろう」と、言
います。

その子はほぼ一年間動物病院に通って、親子とも、学校も教育委員会も驚くよう
な変化をしていきました。そしてだんだんに動物病院から遠のきましたが、その
後、その子が、同じような「家に入れてもらえずに車で寝ている兄弟」を連れて
きました。動物病院では 診療室の壁に九九の表を貼り付けたりしてまで、こど
もたちを受け入れています。
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 去年、沖縄の獣医師さんたちにこの話しを聞いたとき
 虐待されて保護された時、親からタバコを押し付けられた腕の無数のやけどの
跡を、「お父さんがしつけしてくれた」と自慢する子どもの話や、入浴中にふざ
けていたため「肩まで入って温まりなさい」としかりつけた親が、お風呂を加温
にして先に出たあと失念してしまい、言いつけを守った5歳の子どもが煮えて死
んだ話などもでて、「子ども(特に幼児期から10歳くらいまで)と動物はおん
なじだね」と、みなで痛い胸を抱えてうなずきました。

 どちらも自分では与えられた環境を変えることができず、どんなに保護者(飼
い主)が理不尽だろうと保護者を慕い、愛してもらいたいと思い、なんでも受け
入れ言うとおりにする。また、見てもらいたいばかりに 騒動を起こして気を引
こうとする。
 しかられれば、落ち度がないのに、自分に責任があると思い込み、自信をなく
していく。
 そして自分の存在と人の愛情を信じらなくなり、精神に異常をきたしていく。
(イヌなどの動物の場合は人と視線を合わすことができず、うろうろ動き回る事
が多いです。さわろうとすると、悲鳴を上げて逃げるか、本気で攻撃してきます)

動物も子どもも、いつでも「お前を愛しているよ」とその子からみて理解できる
ように遇すれば、やがて目は丸くなり、生き生きとして活力にあふれてくる。そ
して、やがて態度がおちついてやさしくなり、自分でものを考えるようになり賢
くなっていく。
 同じです。

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全国学校飼育動物研究会
   事務局長  中川 美穂子
T0422-53-7099 F0422-56-9086
      m-nakagawa@vet.ne.jp
「学校飼育動物を考えるページ」
http://www.vets.ne.jp/~school/pets/
「学校飼育 動物研究会」 
 http://www.vets.ne.jp/~school/pets/siikukenkyukai.html
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