全国学校飼育動物獣医師連絡協議会
主宰 中川 美穂子
子ども達へ
動物(どうぶつ)はやさしくしてあげると、なついてくれます。
らんぼうにすると、こわがりに育ちます。
動物たちが、「あなたはやさしい人だとわかる」ように、さわってあげてください。
だくときは、きつくしないで、やわらかいおもちをそっともつように正座(せいざ)したあなたのひざの上において、なぜてあげましょう。なれないうちは、
立ってだいたり、だいたまま歩(ある)かないようにしましょう。
また、ぶらさげてもってはいけません。動物からみたら、あなたはとても大きい巨人(きょじん)みたいでしょう?巨人(きょじん)があなたをぶらさげてある
いていたら、苦(くる)しいし、とても怖(こわ)いし、おとされたら骨(ほね)がおれるか、頭(あたま)をぶつけて死(し)ぬかもしれません。
言葉(ことば)を言えない動物たちを
怖(こわ)がらせないで、だい好(す)きだよって分からせてあげてください。
「
動物の気持ちを感じてあげよう・動物の命はあなたがにぎっている」
(「学校飼育動物のすべて」&文科省「学校における望ましい動物飼育のあり方」案より)
動物(どうぶつ)は、ほんとうは広(ひろ)い自然(しぜん)のなかでくらしています。
が、みおなさんのところでくらしているウサギやニワトリやほかの動物はどうおもっているのかな?
「もっと広(ひろ)いところで、のんびりしたい」
「あのウサギが、おいかけて かじってくるからこわい」
「きょうはとても暑(あつ)いな。のどがわいていた、水がほしい」
「あの子は、やさしくさわってくれるし、いつもえさをくれるから大すきだ」
「あっちの子はいつもギューとだきたがり、おいかけてくるからこわい」
「卵(たまご)をうみたいけど、どこにもうむ場所(ばしょ)がないのでこまったな、
おなかがくるしい」
「ひよこがかえったけど、ウサギがみに来るのでおちつけないし、ヒヨコの水のみもない。
大人(おとな)ようの水のみおちて死(し)なないといいけど」
「あー、うんちがちらばってきたなくていやだなー。」
「山にかえりたいなー、おもいっきり走(はし)ってみたいな。でも、犬やネコにつかまるかも」
なんて、かんがえているかな。
もしも、モルモットが自然(しぜん)のなかでくらしていたら、自然はとても広(ひろ)いから うんちをしたところで寝(ね)なくてもよいのです。だから
そうじしなくてもよかったし、たべものだって、いつも自分(じぶん)で見つけられました。でも今(いま)はせまい小屋(こや)の中です。
みんながくれなければ 食(た)べものも水もありません。
みんながきをつけてあげなければ、動物(どうぶつ)はうんちや食べのこしのごみの中ので病気(びょうき)になったり、食べるものがなくなって死(し)んで
しまうこともあります。毎日せわをしてくれるみんなのやさしさに、動物の命(いのち)やしあわせがかかっているのです。
動物(どうぶつ)は、ことばでじぶんのきもちを話(はな)せないので、みんなのほうがよーく動物のかおや目(め)つきや、やってることを見(み)つめ
て、動物がなににこまっているか、なにをよろこんでいるかをかんがえてあげてください。そして、いつも動物が安心(あんしん)してくらせるよう、気(き)
をつけてあげましょう。
動物がなついてくれるぐらいやさしいきもちちでせわができるようになれば、動物やいろんな人ともっとなかよくなれるでしょう。たのしいですよ。
***************************************
動物の世話
暑さ寒さに気をつけて 毎日 水と餌をやり、何か動物が困ってないか、見て、困っていたら対応してあげる。
餌:1日2回
前回の食べ残しをかたづけ、食器の汚れをふき取り(あるいは水洗いして水分をふき取って)
新しい餌を1匹あたり、頭の部分(おでこから上の部分)くらいの量を容れておく。
菜っぱは新しいものを、10分くらいで食べ終わる量を与える。
水:いつも水があるようにすること。そして一日1回は水を取り替えること。
毎日1回、必ず水入れをこすってあらって、ぬるぬる(菌)を取り去ってよくすすいでから新しい水をいれる。
特に朝に入ってないときは、いれておく。容器は大きくて、倒れないものを用意する。
掃除:かならず1回はきれいにゴミや糞をとりさる。できたら、床をデッキブラシでこすって水洗いする。水をほうきではいて、できるだけ取り去り、床を乾か
しておくこと。(ぬれていると脚もいたむし、病気がでる)ばい菌は、水分と温度と栄養(糞や餌の残り)があると、よく増えていく。
掃除後は、よく手を洗えばなにも心配ない。それは他のそと遊びの後と同じです。
よーく 洗うこと。