意見交換掲示板過去発言No.0000-201105-18
Re:大動物の安楽死に関する研究と実地について |
投稿日 2011年5月6日(金)12時15分 投稿者 プロキオン
やはり、レスはつかないようですね。 ある本の中に、全国の16の獣医学科をもっている大学における各研究室の研究内容が紹介されていたことがあるのですが、そちらでは、そのような研究を実施している研究室はありませんでした。例え、あったとしても紹介はしていないはずです。 ペンペンさんは、全国でどのくらいの乳用牛と肉用牛が飼育されていると思いますか? 私も、もう正確な数は分かりません。 その分からないくらい多い数の牛は、突発的な事故で斃死してしまったという事例以外は、すべての牛がと畜場において「肉」になるのです。起立不能で立つことができなくなった牛でも、病牛でも、と畜場に運ばれて、「と畜検査」の対象とされます。そこで、「肉」として供しても良いのかの検査が実施されて、駄目なら焼却処分となります。 だから、病牛の場合ですと、予後判断が極めて重要であって、少しでも懸念がある牛であれば、薬の投薬は見送られます。一旦投薬してしまいますと、「食肉」にするわけにはいきませんので、その薬が排泄されるまでの期間は無治療で牛に生きていて貰わなくてはならないのです。 また、最初からすでに「食肉」は無理だと判明している牛であれば、処置後、検査の部分を省いて焼却炉ということになります。 つまり、対象が大きいというだけでなく、法律においても、どこでも誰でもが家畜を殺しても良いということがないように制限がもうけられているのです。 この例外となるのであれば、切迫と殺や鑑定殺というケースしかないと考えられます。ただ、これらのケースにおいても薬剤の使用は、それぞれの目的から言って、適切ではないと思われます。 したがって、薬殺方法の研究というのは、家畜の場合ですと、極めてなじみにくいというか、研究対象となりえないわけです。 強いて言えば、目的が殺処分そのものである場合、現場で何を用いるのかというように伝えられてきた結果が研究結果ということになるのではないでしょうか? それは論文としては残せないものですが。 さらに言を重ねるのであれば、ペンペンさんがお求めの麻酔薬による致死量投与について、研究はしてないはずですが、実践データーを持っている所はあると思われます。 ただね、そこは決してそのような事を目的としているわけではありませんので、公表はしていませんし、また、教えて下さいと頼まれても、一般の方には教えてくれないでしょうし、教えてよいものでもありません。 「安楽死」とか「薬殺」に関わるのは、獣医師です。獣医師であれば、それがどこのことかは見当がつくかもしれませんし、その内容というのも難しい話ではないと思うのです。 1頭2頭という話であれば、獣医師がそちらから教えてもらったことに沿って、薬殺に用いるということも可能でしょうが、ちょっと数が多すぎますね。
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