獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-201107-36

Re:先週医療ミスにより猫が殺されました。
投稿日 2011年7月22日(金)17時03分 投稿者 チーママ

獣医さんではなく、ただの飼い主です。ごめんなさい。
まずは、猫さんのご冥福を心よりお祈りいたします。ここまでりんさんに愛されて大事にされて、猫さんはとても幸せであったと思います。きっと「ありがとう!」と言っていると思いますよ。

医療ミスだったかどうかは、私にはわかりません。もしも訴えるならば、解剖も必要ですし、でも猫さんはすでに荼毘にふしてしまったのですよね?
大体にして、大事に愛していた猫さんを解剖することは、普通誰でもはできませんものね。亡くなったからには、あとはそっとしておいてあげたいですもの。
でもそうなると、本当の医療ミスだったのか、終末でどうにも手のつくしようがなかったのかが、分かりません。またその状態になってしまったのが、医療の過誤なのか、病状の当然の帰結であったのかもわかりません。

私に分かるのは、その獣医師が心から飼い主さんの心に寄り添っていなかったという事だけです。飼い主であるりんさんの心の痛みや苦しみが分かっていない。
だから、りんさんは余計に悲しく苦しいのだと思います。
もしも飼い主さんの心に寄り添って、飼い主さんがするように猫さんに手を尽くしたならば、りんさんの悲しみも後悔も違ったものになっていたでしょう。

そういう意味では、確かに獣医師選びは大事なものです。
でも地域によっては選びようがないという事もありますね。もしも他にも病院があったのなら、りんさんも先代犬さん含め、長年通ったりはしなかったかもしれませんね。

ここからは自分の事になってしまいますが、ご参考までに。

私も自分の判断で見ならい獣医師に保定を任せ、おそらく回復状態に入っていたであろう子を亡くした経験があります。(いつもは私が保定していたのです)
その責めは一生背負って行かなくてはならないと思っています。
ただその時私が救われたのは、治療にあたっている主治医が、私にとってその子がどういう子か分かっていたので、私以上に取り乱した事です。だって死ぬはずの子ではなかったのですから。
もう駄目と私は分かっていたのですが、なんとか生き返らないかと必死で人工呼吸をしていました。(りんさんも、そうした姿を求めたのではないかと思います。それはどの飼い主さんでも同じであると思います。)
その姿勢だけで、私は救われました。その先生は、きっとどの子に対しても一生懸命真摯に向き合っているのだろうと分かったのです。実際半年後に会った時にも、その事を引きずっていて、かえって申し訳なく思ったほどです。
一方 保定をしていた見習いさんは、「え?自分が悪いの?教科書通りに保定したのに?」という顔をしていました。結局一言も発さず、あやまらず。
主治医は「飼い主さんの傷みや悲しみが分からない人は、駄目です」と言っていましたが、結局しばらくして見習いさんはおやめになったそうです。
りんさんのかかった獣医さんも、もしかしたらその見習いさんのようなところがあったのかもしれません。また、長年の経験からりんさんのおっしゃるようにビジネスになってしまって、飼い主の心から離れてしまっているのかもしれませんが、その辺りは私自身が会った事もないので、とやかくは言えない事です。

また他で、危篤になった子に何もして下さらなかった事もあります。
かかりつけに電話をしたら、「その状態ではここまでもたない。近くの病院に駆け込んだ方が良い]と言われた状態でしたので、これで助かったらラッキーだと思うようなケースでしたが、飼い主としては何か注射をしたり、酸素供給したりと思いませんか? 
でも触診と何やらの経口投与だけで、結局その子は、その場で亡くなりました。
確かにいきなりに飛び込まれて、ベテランの先生なので一目でもう手のつくしようがないと思われたのでしょうし、さりとて何がいけないかの診断もつかない状態だったのでしょう。でも飼い主さんによっては、「何もしてくれなかった!」と怒るかもしれませんね。私は仕方ないと思っていますが。
そうは言っても、昨日まで元気だった子のあまりの突然さに私自信が納得がいかず、主治医のところに連れて行き、剖検して死因を調べたのはもちろんの事。結果、これは誰にもどうしようもなかった事が分かりました。
もっとも飼い主がもう少し注意していれば、防げたことかもしれませんが。すべては後悔先に立たずで、「もしも」を言ったら切りがないですものね。

それでも私は信頼に足る獣医さんに出会えました。それはたまたま良い獣医に出会っただけと思われますか? 確かに動物病院が多いところではありますが、主治医を決めるまでには、あちらこちらと自分との相性を含めて探しています。健康診断をお願いして見るのです。結果、現在の主治医は、電車と徒歩で片道1時間半かかります。
何度かつらい思い痛い思いをしながら、今に至ったのです。それでも、良い先生方に出会えた事は、ラッキーだったと思っています。
きっと今度は、りんさんにも良い先生が見つかりますよ。愛猫さんが、出会わせてくれますから。

今のりんさんの心の穴は、どれほどのものか。お慰めのしようもありません。
でも時は辛抱強い癒し手です。愛しい子がいなくなった心の穴は大きすぎて、今はつらいばかりでしょうが、いつかはその穴は暖かい存在となり、りんさんの心に優しい波動を送ってくれます。愛して大事にしていた子ほど、心を癒してくれる気がしています。
私もそうなるまで、3年はかかりましたけど。
悔しい気持ちや怒りなど、りんさん自身を傷つけ汚してしまいます。
それでは亡くなった猫さんが、悲しみそうです。
今は静かに猫さんだけの事を考えて、16年間そばにいてくれてありがとうと感謝してあげませんか? りんさんが出来るだけのことは、全てしてあげたのですから。
沢山楽しい事、かわいかった姿を思い出して、涙を流してあげてください。
その涙がすべて、猫さんの供養になると思いますよ。
猫さんはりんさんが大好きな事を、どうぞ忘れずにいてくださいね。

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