獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-201110-34

Re:放射線量に関する誤解
投稿日 2011年10月19日(水)11時42分 投稿者 プロキオン

>下のこの部分ですが、時間あたりの線量と累積線量を勘違いされているようです。

例えば0.053μSvや0.079μSvは時間当たりの量ですから、
この千倍浴びると50〜80μSv/hとなり、
年間ではその24X365=8760倍ですから
累積線量は 400mSvから700mSvとなり 
高い確率で癌などの障害が発生する危険な線量です


高橋さん、ご指摘ありがとうございます。「動物よくある相談」における私の記述が誤解を招いてしまったようです。
ここで記載されている測定線量というのは、毎時○○シーベルトというような単位時間当たりの線量(放射線の強さ)ではなく、1日当たりの線量としてのものです。

コンテンツの方にも、3月18日記載となっているように、当時新聞発表されている数値の出所は、都や各県の大気汚染状況を測定している行政の機関からです。このような部署においては、チェルノブイリの事故以来、大気中から粉塵として落下してくる放射性同位元素の測定をしており、その測定方法というのも、一定の場所の一定の面積におけるろ紙に降下してきたものを測定するというものです。
時間とすれば、前日の午後5時から、本日の午後5時までの間に集積したものと言う形です。
したがいまして、私も0.053 や 0.079という数値には、365日だけを乗じるということで考えており、24時間は乗じておりません。
そういう数値なので、当然、測定した方の機関も問題の無い数値として考えておりますし、それを受けて新聞の方でも福島以前と比較しても特に高い値とは説明を受けていなかったはずですし、それに応じた報道がなされたわけです。

が、しかし、それ以降すぐに 放射線の測定単位が分かりにくいという話は、マスコミの間でもでるようになり、実際に私達が入手可能なサーベイメーターで測定することが可能なのは、単位時間あたりの毎時○○シーベルトという放射線の強さですので、ここで比較できるような単位として統一されるようになりました。

ここで重要な点は、私達の住居周辺に飛来する放射性物質というのは、福島以前と比較してもとくに増加したわけでなく、パニックを起こす必要は無いという主旨からの数値説明となっている事です。1000倍というのも、単位時間が違ってしまっていれば、同じ扱いにはなりませんし、「強さ」ではなく「積算値」としての概念からのことです、したがって、余計な数字を乗じるということはしておりません。
当時において、高橋さんと同じ計算をいたしますと、確かに由々しき事態として、新聞各紙においても、大きく取り扱われパニックにもなりかねなかったかもしれませんが、現実には、上で説明したとおりのものなので、問題とはなりませんでした。

私にしても、原子炉外でプルトニウムが検出されて以来、「パニック防止」というよりも、「正確なところを知りたい」に論点が変ってきております。さまざまな意見や疑問を呈するように変ってきているのですが、そんな私をして「煽り立てている」と評価する向きもあります。そんな人達に対してであれば、あの内容は、事故当初の私の考え方を記録しているような意味もありますね。
「動物よくある相談」にある記載内容は、獣医師広報板の中のそれぞれの掲示板の中での発言を元としており、経時的な中での「冷静に判断しましょう」というものです。ですから、今現在の時点、あれだけをパッと見てしまうと違和感を感じられてしまうのかもしてませんね。
その後、雨が何度も何度も降っていますから、飛来した放射性物質にしても、側溝や下水を通って終末処理場へ運ばれ、やがて海へと流れていく事でしょう。今、各地で母親達が見つけているホットスポットというのも、そのような通過点の1つと言えるように思います。ゴミの焼却場周辺や下水の終末処理場へ至る道筋というのは、やはり、高濃度に検出されがちになるように考えられます。
放射性物質は、半減期の時間が経過してやっと、半分になるだけで、無くなるわけではありません。広く大気に拡散していたのものが、雨水によって集積してくれば、当初よりも高い数値を示すということになります。
除染、除染と言っては見ても、その除染によって生じた水や剥ぎ取った土壌をどこにもって行くのかが、いまだに定まっておりません。これらのものが身近に置いておかれたのであれば、除染できましたとは言えないように思いますし、とくに水となると回収されていませんので、移動しているだけだと思います。
身近にひそむものに対して、関心を持ち、注意するようになるというのは、私は良い事だと思っています。



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