獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-201312-20

Re:うさぎの食欲減退と避妊手術
投稿日 2013年7月11日(木)23時46分 投稿者 チーママ

この暑さに食欲不振は、本当にご心配ですね。
ただのウサ飼いですので、あくまでも自分ならばということですので、ご参考までにしてくださいね。

で、いきなりで申し訳ありませんが、失礼ながら今かかっている病院の先生は、ウサギを良く診る先生でしょうか? つまり他にもウサギさんを、多く見ていらっしゃる方でしょうか? 
6歳メス、子宮という言葉が出るので未避妊ということだと思いますが、ウサギさんの経緯を拝見する限りは、普通は子宮蓄膿症や腫瘍などの婦人科系の病気を疑います。
これはもう、多くは早めに取り除くしかありません。その為にも、あまり体力が落ちてからだと危険も高くなります。

おなかに脂肪がついているけれど、背中はごつごつというのは、ウサギでは普通です。
ウサギはおなかから脂肪がつくので、やせているかどうかは、背骨をたどって見ます。
親指と人差し指で背骨をたどり、骨が触れないようなら太りすぎ、背骨の両脇がたどれるようならやせすぎです。
梅雨明け前は天候不順で、こうした時は多くのウサギさんが食欲不振など調子を崩しやすいものですが、うさぎのおかあさんのウサギさんの場合は、気候的なものではなく、やはり何かしらの病気だと思います。で、一番疑われるのは、子宮です。

ウサギの場合、5・6歳過ぎの子宮系の病気は、他の動物と比べて大変にハイリスクで、避妊しないならば早期発見早期治療(手術になります)が、重要になります。
また、今飲ませているお薬は何を処方されているか、分かりますか?
今の状態でバリウム検査は、私ならやりません。人間でもバリウム検査の後は、下剤を飲むなど、バリウムを出すのに苦労します。今現在消化器系の動きが低下している時に、バリウムを使うのはいかがなものかと思います。
確かに、食滞(食べなくなること)の状況を調べるのにバリウム検査をすることもありますが、エコーなどかけていて消化器に異常がないのが分かっているなら、それ以上はする必要を、私なら認めません。
血がたまって腫れているようだ、というなら、なぜ子宮摘出をすぐに薦めないのかが分かりません。
完全に詰まっているなら、手術で胃の中のものを取り出すことはあるでしょうが、今現在のウサギの医療において、それは最後の手段です。そのままでは胃腸が壊死するというケースです。その場合には、強制給餌(注射筒などで流動食を与えること)はかえって危険ですから、指示しないはずです。
わずかながらも食べている、強制給餌をしている状態なら、あえて胃を切開して取り出すということは、最近は聞いたことがありません。

また、現在飲むヨーグルトとを与えているということですが、???
強制給餌をするなら、現在ウサギのペレットを作っている会社が、いくつも強制給仕用の商品を出しています。MSライフケア、ハービーケア、うさぎのおだんこ等々。ほとんどがカロリーも内容も変わりません。ウサギさんの好みというところでしょうか。 ケアフードというのが、知っている限りではカロリーが倍近くあります。
これらは牧草を主原料として、草食動物に必要な各種栄養素や酵素をプラスしたもので、加える水の量で濃度も調節できます。本来は食べられないウサギさんに与えるものですが、我が家では健康維持のために、お皿に作って与えています。

食べられなくて一番心配なのは、脱水症状です。背中の皮をつまんでみてください。
すぐに元に戻るなら、大丈夫。つまんだところの戻りが悪いほど、脱水が進んでいます。
脱水症状を起こすと、当然肝臓の値が悪くなります。
我が家では、食べなくなるとまずこの点を重要視し、補液をしていただきます。ウサギの皮膚と筋肉の間はゆるいので、その中に注射でリンゲルなどを入れてもらうのです。後は徐々に吸収されていきます。ケースによっては、これだけでもだいぶ元気になります。
補液の中には、多くの場合肝臓を守るためにビタミン剤などを添加しているようです。
状態によっては、胃腸の蠕動を促す薬や、末端の血行を保護するためにステロイドを加えることもあります。このあたりは、先生の判断です。

子宮が炎症を起こしたり、腫れてくると、当然腎臓肝臓の数値も悪くなります。肝臓の数値が悪くなったり、腫れた部分で圧迫されると、当然腸の動きが悪くなります。
腸の動きが悪いのですから、胃も動かなくなります。
よだれが出ていることはありませんね? それだと歯のトラブルも視野に入れなくてはなりませんので。

6歳は、決して高齢ではありません。中年といったところでしょうか。
近年はフードやお世話の仕方も良くなり、獣医療も進んできたので、10歳越えのウサギさんも多くなりました。体力があれば、9歳でも10歳でも手術する子がいます。
(我が家のウサギは8月で10歳のオスと、10月で6歳になるメスです。まだまだがんばっていますよ)
ウサギさんの状態によって、手術のリスクも高くなるのは仕方ありませんが、決して年だから駄目ということはないのです。その為にも、ウサギの経験が豊富な先生を探すことが大切です。

もしも現在かかっている先生が、そうした先生ならば、再度よくよくご相談してみてはいかがでしょう。でなければ、セカンドオピニオンというのもありだと思いますよ。どちらでも同じことを言われるならば、その時どちらにお願いするか考えればよいことです。
病院探しに皆さんが良くお使いのサイトを、ご紹介しておきますね。
うさぎさんが、無事に元気になりますように、心から祈っております。
決してあきらめないでくださいね。
介護のご相談なら、ウサギ掲示板もご利用くださいね。

http://www.usagi.cn/anketo/yoibyouin.htm

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:日本ベェツ・グループ 三鷹獣医科グループ&新座獣医科グループ 小宮山典寛様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。