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Re7:うさぎの膿瘍の薬物治療の際の処方について |
投稿日 2015年7月7日(火)01時10分 投稿者 チーママ
うさぎの膿瘍の多くは、袋状の中にチーズの様な膿瘍が入っており、その中には血管などがありません。なので、薬剤が届きにくく、内服だけでは効果が出ないことが多く、その為に切開して内容物を取り除き、投薬と合わせてドレーンなどで洗浄と膿の排出をして・・・という方法になっていると思います。現在は薬剤ビースがありますので、切開後患部の中にビーズを埋め込んで…という方法が取られることも多いかと思います。 膿瘍の位置によってはこうした切開ができませんので、内服だけに頼ることになるわけですね。 塩化リゾチームは、第一にチーズ状の膿を軟化させ、排出しやすくする目的で投薬するわけですが、情報によっては「2012年度の薬剤の有用性の再評価指定によって」その効能は従来うたわれているほどではないとのことで、見直しが薦められているような記事も見かけました。 それでも今現在として、同じように膿瘍を軟化させて炎症を抑えるといった他の薬剤があるのかどうかは、分かりません。今度の土曜に健診がありますので、ちょっと聞いてみますが。 要は膿が出てしまえばいいので、原発が歯根にある場合は、状況によっては抜歯も考えられるかと。それでもうさぎさんの生活の質はあまり変わらないと思います。 実際に、もうすぐ12歳の息子は、加齢により臼歯が伸びなくなっており、片側一部を除いてかみ合わせに隙間ができてすり潰すことが出来ません。それでもふやかしペレットとみじん切り野菜(我が家では木端微塵粉野菜と呼んでいます。それくらい細かくします)で、本人は元気に暮らしています。 外科的手法は視野にないからと言っても、膿瘍のメカニズムを知るためにも、そうした症例を知ることはお役立ちかと思います。外科的方法をとっても、回復と予防を目的として内科的手法も併用されるわけですから、ご希望の薬剤の用量なども分かるかもしれません。 また万が一再発した時などにも、獣医師とのインフォームドコンセントにも役に立ちますし、何より一緒に治療方針を立てることが出来ます。(もちろん主治医にもよりますが) 治療方針を主治医と共に検討していくのを、私はアクティブコンセントと勝手に呼んでおりますが、これが出来ると結果はどうであれ後悔は少ないと思います。 せっかく調べてみたいと思われたなら、膿瘍の各ケースについても周知して、病気の全体像を掴むのは、とても役に立つと思いますよ。 大変でしょうが、頑張ってくださいね。
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